「TIME」日本初演、坂本龍一の命日と重なる本日3月28日に開幕 高谷史郎「人生も舞台も一期一会」
「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI『TIME』」が、本日3月28日に東京・新国立劇場 中劇場で開幕する。 【画像】「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI『TIME』」より。(撮影:井上嘉和)(他9件) 「TIME」は、坂本龍一が音楽・コンセプト、高谷史郎(ダムタイプ)がビジュアルデザイン・コンセプトを手がけた作品。本作は、オランダの芸術祭「ホランド・フェスティバル」で2021年に世界初演され、今回初めて日本で上演される。出演者には田中泯、宮田まゆみ、石原淋が名を連ねている。 高谷は、初日となる本日3月28日が、昨年死去した坂本の命日であることに触れつつ、「人生も舞台も一期一会です。坂本龍一さんが遺してくださった素晴らしい音楽、哲学、この素晴らしい舞台に、多くの方が会いにきてくださいますように」とコメント。東京公演は4月14日まで。このあと本作は、27・28日に京都・ロームシアター京都 メインホールで上演される。 高谷の全文コメント、キャストのコメントは以下の通り。 ■ 高谷史郎コメント 1年前に坂本龍一さんの訃報を知らされたとき、衝撃を受けその現実が受け入れられませんでした。そして亡くなった日が奇しくも「TIME」東京公演の初日である3月28日だということに言葉を失いました。 パルコさんから「TIME」を東京で上演したい、というオファーをいただいたとき、坂本さんも僕もとても嬉しかったし、とても楽しみにしていました。 人生も舞台も一期一会です。坂本龍一さんが遺してくださった素晴らしい音楽、哲学、この素晴らしい舞台に、多くの方が会いにきてくださいますように。 ■ 田中泯コメント 本公演が坂本龍一さんの命日と重なる奇遇、ご縁に身が引き締まる思いでおります。坂本さん高谷史郎さんとで練り上げられたこの舞台作品に登場する「人間」として私が選ばれたことは、この上ない喜びと思い、迷わず参加を引き受けたものでした。 坂本さんより「初めて水を見る人類の一人を演じ作品の内にい続けて欲しい」と言われました。 人間の諸元の姿、想い、営み、人類のたどってきた長くて短い歴史の明暗、その上で世界の現在。政治・経済に振り回される世界の現在。人間らしさや本当の人間を求めることはただのロマン・夢想なのでしょうか。本物を愛し欲求していた坂本さんの考える「水の循環」で成立する私たち自然・人間の営みと地球ならではの「時の機微」TIME。 こんな作品の内に漂い佇む人でいることは、私にとってはオドリそのものだと思えたのでした。 オランダ、台湾、と2つの国でも公演を経て、舞台は変化し続けている、と思います。日本の観客の眼前に、劇場の空間に身を晒し、坂本さんの魂に触れる夢中のひとときです。 ご来場の皆様には、是非是非、心も身体も開いて、「TIME」をお楽しみ頂きたい、と願っております。 ■ 宮田まゆみコメント オランダ公演、台湾公演を経て、坂本龍一さん、高谷史郎さんの世界に私自身段々深く入りこんできたように感じます。坂本さんの音楽の流れと高谷さんの舞台の空間、田中泯さんの存在、その中に居られることが私にとって大きな喜びです。日本でご覧下さる皆様とそれを分かち合えたらこの上なく幸せです。 初日が3月28日になることは前から決まっていたのだと思いますが、坂本さんのご命日と重なったと知った時はほんとうに驚きました。坂本さんが見守る中、いっそう充実した舞台になるに違いありません。 ■ 石原淋コメント 坂本龍一さん、一年がたちましたね。今日から日本で「TIME」が上演されます。叶うことなら観てもらいたい。いや観てくれているだろう。きっとどこかにいるだろう。資本主義に処理されるようなアイデンティティーよりも、植物も含めたもっと他の生き物のように、互いの命の境界線を感知し共存しうるような方に出会うことは稀だ。語弊があるかもしれないが世界の坂本龍一では自分にとってはなく、師匠の田中泯を通して坂本さんに出会え、そして旅だたれた後の喪失感は想像以上にのしかかった。日常的にやりとりをすることができたことも宝物です。「TIME」の中で必死に存在!頑張ります。 ■ RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI「TIME」 2024年3月28日(木)~2024年4月14日(日) 東京都 新国立劇場 中劇場 2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日) 京都府 ロームシアター京都 メインホール □ スタッフ 音楽・コンセプト:坂本龍一 ビジュアルデザイン・コンセプト:高谷史郎 □ 出演 田中泯 / 宮田まゆみ / 石原淋