藤井聡太叡王が連敗止めて八冠死守へ最終局「次、持将棋でなければ」とジョークも
将棋・第9期叡王戦五番勝負第4局が31日、千葉県柏市で指され、藤井聡太叡王=竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖と合わせて八冠=が挑戦者・伊藤匠七段を後手番の132手で破り、2勝2敗のタイスコアとした。 負ければ昨年10月に達成した八冠完全制覇から七冠転落の危機。それでも序盤は「途中まではやってみたい形だったんですけど、ただ、こちらの玉がかなり薄い状態での戦いになるので、非常に判断が難しいかな」と攻めの姿勢を貫いた。 1時間近い長考で形勢を損ねた場面もあったが「途中、馬を作ったあたりから手厚くすることができたのかな」。その馬と桂で、隅っこの9九の伊藤玉の周りをばらした。 第5局は6月20日に山梨県甲府市の「常磐ホテル」で指される。その前に棋聖戦五番勝負(VS山崎隆之八段)も6月6日に開幕。「最終局はまた振り駒になるので、幅広く考えていきたい」と先後の両面で作戦を立て、八冠死守を目指す。大盤解説会場では「次が持将棋でなければ最終局になるので」と、挑戦者・伊藤の誘導で持将棋(勝負なし)になった2月の棋王戦第1局(富山)をちらつかせるジョークで、会場の笑いを誘った。
報知新聞社