わざわざポスター代の自腹を切る候補など1人もいない…斎藤元彦知事の「苦し紛れの弁明」が剝がれる"Xデー"
■PR会社は県の仕事をしていなかったのか また折田氏はnoteの略歴の中で、「兵庫県、広島県、山口県、徳島県、高知県……の広報・PRを手掛けている」とはっきりと記している。 公選法では、地方公共団体と利害関係にある者が知事選などで寄付を行うことは禁止されている。 奥見弁護士は、折田氏が兵庫県空飛ぶクルマ検討会議委員などを務め、4年間で合計15万円の謝礼を受け取ったが、同委員などは請負契約ではなく、県との利害関係人にならないとの認識を示している。 奥原弁護士は、折田氏が有識者会議委員のみを引き受けていると思い込んでいるのだろう。 折田氏は略歴で、ビジネスとして「兵庫県の広報・PRを手掛けている」としている。過去にさかのぼって調べれば、兵庫県と何らかの請負契約が出てくるのではないか。大きな県庁組織では、すべての請負契約を把握するのは簡単ではないのだ。 兵庫県全体で調べるととともに、折田氏に事情を聴いてみれば、はっきりする。 ■“Xデー”は12月2日 折田氏の“爆弾”投稿記事による斎藤知事への公選法、政治資金規正法の疑いの追及は始まったばかりである。これからが本番となる。 兵庫県知事選の選挙運動収支報告書の提出期限は12月2日である。斎藤陣営の収支報告書を見れば、公費負担を含めた支出などが明らかになる。そこで、まずカメラマン、ヘアメイクの費用がどのように扱われるのか見てみたい。 12月2日の提出ぎりぎりまで、斎藤知事らは鵜の目鷹の目で収支報告書をチェックしているだろう。まあ、いままでのやり方ではボロは必ず出てしまうだろう。 ---------- 小林 一哉(こばやし・かずや) ジャーナリスト ウェブ静岡経済新聞、雑誌静岡人編集長。リニアなど主に静岡県の問題を追っている。著書に『食考 浜名湖の恵み』『静岡県で大往生しよう』『ふじの国の修行僧』(いずれも静岡新聞社)、『世界でいちばん良い医者で出会う「患者学」』(河出書房新社)、『家康、真骨頂 狸おやじのすすめ』(平凡社)、『知事失格 リニアを遅らせた川勝平太「命の水」の嘘』(飛鳥新社)などがある。 ----------
ジャーナリスト 小林 一哉