沖ノ島のアマモ場再生へ 110人が浅瀬に苗を移植 館山(千葉県)
減少してしまったアマモ場を再生しようと11日、館山市の沖ノ島でアマモの移植会が行われた。高校生などの市民や関係者ら約110人が参加し、280ポットの苗を植え付けた。 沖ノ島をはじめとする同市の豊かな環境を、健全な姿で次世代に引き継ぐことを目指すNPO法人「たてやま・海辺の鑑定団」(竹内聖一理事長)が中心となり、市民参加型で続けている再生活動。安房地域を中心に参加を呼び掛け、安房高校生物部、一般参加者、セブン―イレブン記念財団関係者などが参加した。 小さな海の生物の産卵の場、えさ場、すみかとして「海のゆりかご」と呼ばれるアマモ場。参加者らは、沖ノ島でアマモ場が減少した経緯や現状の説明を聞いた後、実際に移植する作業へ移った。 約1メートル四方の枠を浅瀬に複数設置し、昨年11月にポットで種から育てたアマモを枠内に移植していった。水中の砂は流れやすく、「手早く掘って深めに植える」などのNPOスタッフのアドバイスのもと、子どもから大人までが楽しみながら作業を行っていた。 竹内理事長は「定着状況はよくないが、活動を通して現状を知り、身近で起こっていることを自分事として考えることが大事だと思う。アマモの減少や磯焼けは全国的に進んでおり、種を採取するのも難しくなってきているが、活動を続けていきたい」と話していた。