『虎に翼』GHQが推し進める“五大改革”とは? 「女性の解放」が寅子の人生に与えた影響
「国家の構成員」として期待され始めた日本女性たち
GHQは「女性の解放」を五大改革の一つにした理由として、女性が「国家の構成員」として「新たな概念を日本にもたらすだろう」と考えたことを挙げている。新しい日本の政策決定に家庭の知恵を直接反映させる、社会の安定的要素になるとして、GHQは日本女性に期待を寄せたのだろう(※)。そうした背景から、GHQは日本女性に参政権を認める政策を実施し、制度として「女性の解放」を進めていった。 『虎に翼』において、この考えに賛同していると思われる久藤は、寅子を司法省に採用し、彼女の意見をどんどん取り入れて、民法改正を進めたいと考えたはずだが、寅子は一度弁護士を辞めたことと、家族を支えるためにはもう失敗はできないと思っていることから、どうしても“スンッ”となってしまっていた。 久藤に謙虚だと言われて、落ち込む日々が続いていた寅子だが、立花たちとの出会いや、大学の学友である花岡(岩田剛典)との再会を通して、少しずつ自分らしさを取り戻したようだ。寅子が、立花たちのように堂々と女性としての自分の意見を口にし、久藤や桂場(松山ケンイチ)らを唸らせる姿を早く観たい。 参照 ※ https://www.jawe2011.jp/publish/welearn/data/0603_640.pdf
清水久美子