「思い出が詰まった」黒板アート、60年以上使われた中学校校舎に別れ 生徒7人の天龍中で竜のイラスト描く
生徒数の減少で新年度から天龍村天龍小学校に併設される天龍中学校で23日、現校舎とのお別れイベントが開かれた。1~3年の生徒7人がチョークアート作家の吉沢さやかさん(50)=高森町=と一緒に、竜のイラストや校舎の風景などを教室の黒板にチョークで描いた。思い出に残そうと保護者らでつくる実行委員会が企画。卒業生や保護者も作業に加わってチョークを握り、作品を仕上げた。 【写真】60年以上使われてきた校舎を描いた黒板アート
同校の校舎は1961(昭和36)年に完成し、60年以上使われてきた。学年ごとにそれぞれの教室の黒板にチョークで絵と文字を描いた。生徒は吉沢さんから「濃淡の差をつけるのがこつ」と教わり、チョークで塗りつぶして絵に着色した後、指や市販の絵筆で黒板をなぞり、立体的に仕上がるよう濃さを調整した。
3年生は校名から着想し、竜のイラストを書いた。山崎瑛翔(えいと)さん(15)は「学校の象徴として竜を選んだ。古い校舎だけど、今後も村民に長く使ってほしい」と話した。緑の山々と桜が彩る春の校舎の風景を描いた1年生の南屋琉我(りゅうが)さん(13)は「1年間過ごした思い出の詰まった校舎を写真のように描けた」と満足そうだった。
吉沢さんは「事前に練習をしなかったが、子どもたちと保護者が意欲的に取り組んでくれていい作品になった。一緒に作業したことが思い出に残ってくれるとうれしい」と話していた。