ベスト8は東西4校ずつ！ 春季東京都大会準々決勝を展望する まさに夏の前哨戦、同地区同士のぶつかり合い
帝京の強力打線を、飯山を中心とした修徳投手陣が抑えることができるか？
＜修徳－帝京＞ 長年負け続けてきた関東一を破り勢いに乗る修徳の前に、帝京の強力打線が立ちはだかる。 修徳はもともと、染田 棟煌外野手（3年）、逢坂 拓未内野手（3年）、齋藤 絋内野手（3年）といった攻撃陣に力があった。関東一戦では、わずか5安打に抑えられたものの、秋はベンチ入りできなかった飯山 大夢投手（3年）がエースに成長。秋季都大会優勝の関東一を無失点に抑え、金星を挙げた。ただし帝京戦では、打線の奮起が不可欠だ。 前年の優勝校で、春夏の甲子園での優勝3回の帝京は、実績、実力とも他を圧倒している。昨年の秋は1次予選で二松学舎大附にコールド負けした悔しさをバネに、チームは力強さを増した。今大会4試合で奈良 飛雄馬内野手（3年）の2本をはじめ、本塁打が5本。新基準のバットであることを忘れるほどの猛打を発揮している。 投手陣も身長189センチという長身の黒木 大地投手（2年）、昨年春の決勝戦で完投した小野 寛人投手（3年）、この大会ではまだ投げていないが遊撃手との二刀流の西崎 桔平内野手（3年）もいる。 戦力的には帝京の優位は動かないが、関東一を破った修徳の勢いも侮れない。
攻守にスキのない創価を相手に、東海大菅生打線が覚醒できるか？
＜東海大菅生－創価＞ 昨年秋季都大会準優勝の創価は、秋は不振だった土居 賢士郎投手（3年）が復活して主戦投手となり、戦力は厚みを増した。投手陣は本格派の土居に、変化球を駆使する森山 秀敏投手（3年）の2人が安定。打線も主将の井路端 広明捕手（3年）を中心に下位まで切れ目がない。昨年9月に就任した堀内尊法監督は、秋はチームの戦力を把握しながらの戦いであったが、この春はしっかり掌握している。 東海大菅生は小島 葵投手（3年）が投手陣の柱に成長。左腕の上原 慎之輔投手（2年）と2本柱を成している。さらに今大会はまだ登板していないが、背番号1の宮本 恭佑投手（3年）もいる。 打線はやや湿り気味。「練習試合では打っているのですが」と若林弘泰監督も首をひねる状態だ。ただ強い相手と戦うと、力が覚醒することがある。 4回戦までの戦いぶりでは、創価が優位であることは確かだが、3番・高西 航輝内野手（3年）、4番・大島 健真内野手（3年）を中心として打線が奮起すれば、東海大菅生にも勝機はある。 また松山商（愛媛）の出身で、創価大を長年指導してきた堀内監督が就任してから東海大菅生と対戦するのは初めて。元中日の若林監督との対決も、注目だ。 ここまでの戦いぶりでは帝京と創価が抜き出ている感じがあるが、波乱続きの今大会だけに、何が起きるか分からない。帝京と國學院久我山は、1次予選から勝ち上がっているが、1次予選から勝ち上がったチームが優勝すれば2014年の成立学園以来、10年ぶりになる。 ベスト8が東西4校ずつとなったため、夏の大会の東西東京大会の四隅のシードに入るチームも決まった。それでも、夏の大会の運営方式が例年通りであれば、第1シードは常にその日の第1試合に登場する。夏の暑さを考えれば、かなりのアドバンテージだ。そして何より、夏の大会が東西2代表制になって今年で50年。東京No.1を決める戦いは秋と春の2回しかない。東京の頂点を目指した熱い戦いを期待したい。
