人気国家試験の第2種電気工事士 8歳で合格 福島県の白河二小3年の石川禾奈子さん
一般家庭などの電気工事ができる第二種電気工事士に福島県の白河二小3年の石川禾奈子(かなこ)さん(8)が合格した。毎年10万人以上が受験する人気の資格で、8歳での合格は極めて珍しい。挑戦を支えた周囲は快挙を喜んでいる。 第二種電気工事士は国家試験で、受験に年齢や職歴などの制限はなく、年2回行われる。学科試験をパスした上で技能試験に受からなければならない。昨年度は技能試験に合計約10万1千人が臨み、約6万7千人が合格した。 禾奈子さんの家は西郷村の東陽電気工事株式会社。幼稚園のころから会社や作業場に出入りし、マスコット的な存在となった。社員の電気の話に聞き入り、工具にも関心を持った。現場見学に連れて行ってもらうこともあり、工具の使い方や簡単な作業、電気の知識を教わることもあった。 そんな長女の姿を見ていた社長で母の石川格子さんが、「こんな仕事もあるよ」と電気工事士を紹介した。禾奈子さんは、格子さんが電気工事士として仕事する姿を間近に見ていたこともあり、受験を決めた。
初挑戦は2年生だった。学科試験の問題には、学校で教わっていない漢字がずらり。家族や社員が「先生」となり、漢字の読みと問題の意味を解説、禾奈子さんは過去問に挑み知識を増やした。技能試験は配線図で与えられた問題を、材料を使い時間内に完成させる。事前に公表された候補問題から出題される。何度も練習し本番に臨んだ。8月中旬の合格発表で、自分の受験番号を見つけた禾奈子さんは、家族や社員と喜びを爆発させた。 次の挑戦は高度な知識と技術が求められる第一種電気工事士という。電気工事技術者として働く母親や、大好きな社員のみんなと同じ場所で働きたいと考えている。何より電気工事の面白さにひかれている。「電気の楽しさを、一緒に分かってくれる友だちが増えたらうれしい」と、はにかみながら話した。