宮崎吾朗、鈴木敏夫らとジブリの今後を見据え会議「ないではない」
今回の展示資料に関して、もともとは展覧会で公開しようという思いはなかったという。「本来ならここに飾っているものの半分以上が、ゴミになるものなんです。検討するためにつくった模型なども、仕事が終われば廃棄されるというのが常なんですが、やっていくうちに“大倉庫ができる”という前提があった。だったらちゃんととっておこうかということで、残すことになった。おかげさまですでに大倉庫の中はいっぱいになってしまいました」と笑いながら明かした。
そんな宮崎が見据えるジブリの今後とは? 「ビジョンみたいなものはないんですよ」と笑う宮崎は、「今日の夕方には鈴木敏夫プロデューサーらと、今後どうしようかという会議をすることになっています。常々、引退したいと言っている鈴木に“辞めることはできないよ”と言うための会議なんですが」と冗談交じりにコメント。そして「それはさておき、映像や映画を取り巻く環境は、ジブリが生まれた時からずいぶん変わってきているのは確かだと思います。その中でどういう風に映像をつくっていくのかは課題となっているし、つくり手の立場から言うと『君たちはどう生きるか』みたいな作品を目の前に突きつけられると、そのあとに続くものは大変つくりにくいし、プレッシャーにもなります。そこをどう超えていくのか、迂回していくのか。そういうことを考えていかないといけないと思っています。それと同時にジブリ美術館、ジブリパークとやってきたわけですから、その発展形もやってみたい。やるべきじゃないか、という話も出ている。そしてジブリパーク第三期という話も、ないではないので、それにも取り組んでいきたいなと思います」と将来への展望を語った。(取材・文:壬生智裕)
「ジブリパークとジブリ展」東京会場は、6月28日~9月23日に東京・天王洲 寺田倉庫「B&C HALL/E HALL」にて開催(チケットは日時指定予約制)