市川海老蔵さんが会見、「本当にかけがえのない時間だった」
乳がんで闘病中だった歌舞伎役者・市川海老蔵さんの妻小林麻央さんが亡くなったのを受け、海老蔵さんが23日、東京都渋谷区の劇場「シアターコクーン」で会見した。麻央さんが息を引き取る直前に「愛しているといって、そのまま旅立ちました」と話し、海老蔵さんは何度も両目をぬぐった。 【中継録画】最期に「愛してる」妻・麻央さん死去 市川海老蔵さんが会見
会見が予定されていた午後2時半前には、メディア関係者約400人が劇場周辺に集まった。入場に時間がかかり、主催者側の「会見を始めます」とのアナウンスに「まだ用意できていない」と叫ぶ声も聞こえるなど騒々しかった。 海老蔵さんが舞台袖から姿を現すと、待ち構えていたカメラマンが一斉にシャッターを切った。会見が始まると、時折涙をふきながら語る海老蔵さんの言葉に、場内はひそひそ話すらはばかられる神妙な雰囲気につつまれた。 海老蔵さんによると、仕事中の22日夜、看病していた麻央さんの母から、麻央さんの具合が悪く、医師から家族を呼んだ方が良いと告げられた旨を知らせる連絡があり、あわてて帰宅したという。最後に「愛してる」と告げて亡くなった麻央さんを、海老蔵さんは「愛されていたのはよくわかっていたが、最後の最後まで愛していてくれたことに……何とも言えません」と言葉を詰まらせながら語った。 病院ではなく、自宅で見送れたのはよかったと海老蔵さん。「お母さまもお父さまも私もお兄さまも麻耶さんも、そして子供たちもずっとそばにいられた。家族とともにいられた時間というのは、本当にかけがえのない時間だった」。 麻央さんとの間には、麗禾(れいか)ちゃんと勸玄(かんげん)くんの2児がいる。母親という存在を失った彼らに対し、海老蔵さんは「僕は(麻央さんの)代わりにはなれないですけども、できる限りのことをやっていく」と誓った。 小林麻央さんは東京都出身。2003年にフジテレビ系「めざましどようび」の天気キャスターとして芸能活動を開始し、映画やTVドラマなどにも出演。2010年、市川海老蔵さんと結婚した。2016年6月、海老蔵さんは記者会見を開き、麻央さんが進行性乳がんであることを公表した。以来、入退院を繰り返したが、麻央さんのブログによると、今年5月29日に病院を退院し、在宅療養に切り替えていた。 (取材・文:具志堅浩二)