経営者ならではの悩みや閉塞感が解消した 変化の激しい時代に、ビジネスリーダーたちが″修験道体験”で得た深イイ気づき
山へこもって厳しい修行を行うことで悟りを得たり心の乱れを静めたりする、日本独自の宗教・信仰「修験道」。 グロービスが次世代リーダーの育成を目的に2016年から始めた、経営幹部のみ参加可能なプログラム「知命社中」には、この修験道が組み込まれています。 経営幹部が修験道を体験することで得られるマインド醸成とはいったい何なのか。実際に知命社中に参加した経営者2名に聞きました。 変化の激しいVUCA時代、さまざまな不安に対峙するビジネスリーダーに、山の修行はどのような変容をもたらしたのでしょうか。
三代目社長・佐々さんの場合
サンハヤト株式会社 代表取締役社⻑ 佐々⻯太郎 RYUTARO SASA 2001年日本テレビに新卒入社。約17年間「はじめてのおつかい」などの番組制作に携わったのち、母の死をきっかけに家業であるサンハヤト株式会社に転職。2023年同社代表取締役社⻑に就任。 2021年にロンドンビジネススクールで経営の修士号(Sloan Masters in Leadership and Strategy)を取得。 2022年8月知命社中に参加。
──知命社中に参加したきっかけを教えてください。 佐々:気づいたら知命社中のホームページを見ていて、申し込みボタンを押していました(笑)。 僕が知命社中に参加したのは2022年8月で、申し込んだのは同年4月。ちょうどロンドンビジネススクールで経営の修士号を取り、帰国した頃です。 現在は祖父が作った会社の3代目社長を務めていますが、もともとは新卒で日本テレビに入社し、約17年間番組作りをしていました。 経営も家業のビジネスも全くわからなかったけれど、自社の発展のためにはグローバルに販路を拡大しなければならないのは火を見るより明らか。 本気で経営者としてのスキルを学びつつ、海外で戦うマインドを手に入れようと思い、イギリスのビジネススクールに行ったのです。 そこで学んだことは、たった一つ。本気で何かを変えたいなら、まず自分が変わらなければいけない。そのためには学び続け、視座を高く持ち、同時に現場を見なければいけないということです。 ところが帰国し、現場や社員と毎日向き合う中、近視眼的になりすぎてしまい、視座が急速に下がっていく感覚がありました。