【阪神】甲子園に「魔曲」!前川右京ジョックロックに乗って先制口火「気分転換くらいな感じ」
<阪神1-1中日>◇26日◇甲子園 一足早く、甲子園に「魔曲」が降臨した。4回2死。阪神前川右京外野手(21)が2打席目に向かう際、入場曲で初めて「ジョックロック」が流れた。高校野球ではおなじみだが、プロ野球では耳慣れないメロディーに、甲子園の虎党も少しどよめいた。 前川は背中を押されるように、涌井の甘く入った変化球を見逃さず、右前打を放った。「ちょっと1打席目が淡泊になった。打てる球をちゃんと打とうと思っていました」。続く佐藤輝のフェンス直撃三塁打で先制のホームイン。前日0封負けの嫌な空気を吹き飛ばす先制攻撃だった。 積極的な打撃がジョックロックと連動した。球団関係者に2打席目と4打席目の指定で依頼していた。「気分転換くらいな感じですね」。高校野球の名門、智弁和歌山がオリジナル曲として作ったチャンステーマ。前川の出身の兄弟校・智弁学園(奈良)でも定番としている。ブラスバンドが奏で始めると、球場は異様なムードに包まれる。不思議と打線がつながり、猛打智弁の象徴として、相手を恐怖に陥れる「魔曲」と呼ばれるようになった。これからが高校野球のシーズン本番。21年夏の甲子園で大暴れし準優勝に輝いた21歳にとっては燃える1曲だ。 9回1死一塁からはまたも魔曲に乗って、右中間二塁打。ただ、ここは「待て」のサインが出ており、岡田監督はおかんむり。さらに、延長11回先頭の三邪飛も悔やまれる。「1本目は先っぽでしたが、2本目は芯でした。でも最後の打席がもったいない。ああいうのをなくさないと」と前川は反省した。 打線は相変わらず決め手を欠いた。連日の5番起用に応えた“夏男”前川のバットにかかる期待はこれから大きくなる。【柏原誠】