日東工業、瀬戸工場を公開 キャビネットの生産能力1.5倍に
【尾東】日東工業(本社長久手市)は6日、4月に稼働した瀬戸工場(瀬戸市)を報道陣に公開した。主力の電気機器収納用のキャビネットを生産している。デジタルトランスフォーメーション(DX)を駆使し、受注から生産、出荷までを自動化。生産能力を既存工場の1・5倍に高めるとともに、省力化、少人化により年間6億円の生産コスト削減を見込んでいる。 同工場は、敷地面積25万3千平方メートル。建屋は鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は約5万平方メートル。太陽光発電システムやカーボンフリー電力の購入などで、工場内の電力を100%再生可能エネルギーで賄っている。 キャビネットの生産には、顧客がウェブ上から希望の仕様を発注する、独自の「スマートオーダーキャビネット」を導入した。顧客が大きさや穴の位置、色など希望する仕様を送ると、自動化された生産ラインが対応し、納期に合わせて生産する。一つの生産ラインで仕様の異なる製品を生産する「混流生産」が可能で、これまで生産に時間がかかっていた特注品への対応強化につながる。
黒野透社長は「瀬戸工場には業界初、世界初と言ってもいい生産システムを導入した。需要が拡大している大型キャビネットや特注キャビネットの生産能力拡大と対応力強化を進める」と話した。