約42億円かけ旧軍人村を修復へ 史文化相「一度で終わらせる」/台湾
(高雄中央社)文化部(文化省)は昨年8月、南部・高雄市の「左営眷村」について、9億台湾元(約42億円)の修復予算案を承認した。予算のうち55%は同部が補助する。史哲(してつ)文化部長(文化相)は4日、現地を視察し、今回の予算により一度で全ての修復を終わらせたいと語った。 眷村は戦後に中国大陸から台湾に移り住んだ軍人やその家族らが暮らした集落。日本統治時代にルーツを持つ左営眷村は、台湾最大の海軍眷村だったとされ、近年は保存に向けた取り組みが行われている。史氏は2016年から昨年1月に部長に就任するまで、高雄市副市長を務めていた。 史氏は左営眷村には千戸近くの建物が残っているとした上で、2016年から同部の補助を受けて修復と活性化を図ったものの、全ての修復には足りていなかったと指摘。同部長就任以来、同地の修復と活性化を一歩ずつ完成させたいと願っていたと思いを明かした。 史氏に同行した陳其邁(ちんきまい)高雄市長は、放置された眷村は荒廃が進み、保存は時間と戦う難しい任務だったと吐露。予算の承認を受け、眷村に現代的な公共施設や高齢者福祉施設を引き入れ、地域全体の活性化と修繕を加速させ、眷村文化の復興を図りたいと語った。 (林巧璉/編集:齊藤啓介)