国外移住希望者が急増 トランプ氏勝利「耐えられない」 米
【ニューヨーク時事】トランプ次期米大統領の返り咲きが決まった米国で、国外への移住希望者が増加している。 【写真特集】不動産王から米国大統領へ ドナルド・トランプ氏 大統領選が行われた5日以降、インターネットでの移住方法の検索や旅行会社への問い合わせが急増。大統領選の結果を受け入れられないという米社会の深い分断が浮き彫りになっている。 ニューヨーク市在住の英語講師ローレンス・リンさん(65)は、トランプ氏勝利を受け、隣国カナダへの移住を検討し始めた。中国系米国人のリンさんは「トランプ氏の人種差別的言動に耐えられない」と強調。「高齢の両親との移住やカナダでの市民権取得は簡単ではないが、真剣に不動産を探している」と打ち明けた。 ロイター通信によると、ニューヨーク市を含む米東部で投票が締め切られた5日夜からの24時間で、検索サイト大手グーグルを通じて「カナダへの移住」と検索した件数はそれ以前の約14倍に増加した。ニュージーランドに関する同様の検索は約20倍、オーストラリアに関しては約9倍に増えたという。 米市民を対象に移住支援を行う旅行会社「エクスパッチ」は5日から6日にかけ、100人以上の新規顧客を獲得した。同社のウェブサイトは既に2022年の年間アクセス数を上回る閲覧があったといい、同社創業者のジェン・バーネットさんは米CNBCテレビに「彼らはすぐにでも国外に出たいのだ。できれば(来年1月の)大統領就任式までに」と話した。