迷走を続ける「維新」で党内の“東西対立”が深刻化、橋下氏が“党崩壊”にまで言及する事態
一連の党内対立や混乱を踏まえ、今も党内に強い影響力を持つとされる橋下氏が、6月27日に自らのX(旧ツイッター)を更新。その中で、まず旧文通費を巡る自民・維新党首会談を取り上げ、「自民党が嘘をついたわけでなく、単純に馬場さんや維新執行部の確認ミス」と指摘。さらに次期衆院選への対応についても「今なんとなくある支持率に乗っかって比例復活議員を増やす戦略なら、どの道維新はなくなる」と指弾した。 ■“馬場首相”説に、他野党は「誇大妄想」と冷笑
こうした橋下氏の言動について、永田町では「創業者が、党運営への不満から近い将来の党崩壊にまで言及するのは極めて異常な事態」(政治ジャーナリスト)との声が拡大。自民党内でも「もはや、維新の取り込みによる連立政権の組み直しなどは無理筋」(国対幹部)との見方も広がり始めている。 その中で、馬場氏周辺は「岸田内閣の支持率が最低レベルから抜け出せない状況なのに、立憲民主への国民の不信感が政権交代への大きな障害となっている」と指摘したうえで、「次期衆院選で自公の過半数獲得を阻止し、自民が維新に協力を求めざるを得ない状況に追い込めば、『馬場首相』だってあり得る」となお強気だが、他野党は「誇大妄想の類」(立憲民主幹部)と冷笑するばかりだ。
泉 宏 :政治ジャーナリスト