期待に応えられず…。欧州、今季ガッカリの名将(4)あまりに不安定…。采配やスタメン選びに批判殺到?
これまで数々の実績を残してきた「名将」であっても、新天地で期待されているような成績を残すことは保証されていない。佳境を迎えている2023/24シーズンも様々な理由から多くの監督が苦戦を強いられている。今回は、今季ガッカリな成績に終わった名将をピックアップして紹介する(成績は5月13日時点)。
マウリシオ・ポチェッティーノ(チェルシー) 生年月日:1972年3月2日 今季リーグ戦成績:36試合16勝9分11敗(7位) マウリシオ・ポチェッティーノはトッテナム時代に若い選手を積極起用した実績からチェルシーにうってつけの指揮官として考えられていた。しかし、現状のチェルシーはトッテナム以上に未熟なチームだった。39歳のチアゴ・シウバに次いで若いのが29歳のラヒーム・スターリングで、平均年齢はプレミアリーグで最も若い23.6歳。代表に例えるのであれば、オリンピックのチームでワールドカップに臨むようなもので、当然のように選手たちの経験不足が露呈した。 カラバオ・カップで決勝に進出したことからもわかるように、ポテンシャルの高い選手たちの最大出力には間違いないものがある。その一方で安定感に欠けており、今シーズン最大の連勝は「3」と好調を維持することに苦戦。プレミアリーグからの降格が決定したシェフィールド・ユナイテッドとバーンリーに対して2勝2分と勝ち点を取りこぼすなど、ボトムハーフに対して勝ち切れない試合が多発した。 その中でポチェッティーノのスタメン選びや采配に疑問の声が寄せられることも多かった。ビルドアップのデザインが曖昧なため詰まることが多く、クロスに対してボックス内に1人しか詰めていないなど、フィナルサードでの崩しにおける決まり事の少なさが露呈することも。最終的にはコール・パーマーやノニ・マドゥエケがシーズンを通して大きく成長したことで得点が増えてきたが、シーズン序盤は得点力不足に陥っていた。 調子が長く続かなかったことからシーズンの大半を10位近辺で過ごしていたが、現在はマンチェスター・ユナイテッドの大失速も相まって7位まで浮上。欧州カップ戦出場権の可能性も出てきた。何位までに欧州カップ戦出場権が与えられるかはFAカップ決勝の結果次第だが、6位ニューカッスルとも勝ち点57で並んでいることからUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得する可能性も残されている。ただ、シーズン開幕前の大型補強とプレシーズンでの強さを踏まえると、期待を下回るシーズンになったと言わざるを得ないだろう。
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