【プレビュー】パリ五輪へ向けて始動したバスケ男子日本代表、グアムと中国相手に『国内組』の成長に期待|FIBAアジアカップ予選
バスケットボール男子日本代表は、2月22日のグアム戦と25日の中国戦、いずれも有明コロシアムで行われるホームゲーム2試合で、来年のアジアカップに向けた予選をスタートさせる。この後、今年11月と来年2月にそれぞれ2試合の合計6試合を戦う予選では、各グループ4チームのうち上位2チームに本大会への出場権が与えられ、3位チームは2次ラウンドで新たなリーグ戦へと回って残り4つの出場権を争う。中国、グアム、モンゴルと同居するグループで2位以内に入るのは、今の日本代表にとって難しいハードルではない。それよりもこのタイミングでチームが見据えるのは、今年夏のパリオリンピックだ。 ヘッドコーチのトム・ホーバスも、この2試合に向けた強化合宿を「パリに向けた最初のステージ」と位置付けている。昨年のワールドカップで大きな飛躍を遂げた日本代表だが、ここで立ち止まることなくホーバスのバスケをさらに浸透させ、新戦力を発掘して、チームをもう一段階上のレベルへと引き上げたいところだ。代表活動の機会は限られており、今回は昨年のワールドカップ以来となる。Bリーグのシーズン中ではあるが、ホーバスはチーム強化に余念がない。 今回はNBAでプレーする渡邊雄太と八村塁、大学バスケのクライマックスを迎えようとしている富永啓生の『海外組』が不在となる。強化合宿に招集した20名のうち、ワールドカップ組は9名。比江島慎に富樫勇樹、ジョシュ・ホーキンソン、河村勇輝といった選手がチームの中心を務めるが、より注目すべきはワールドカップに参加していない11名かもしれない。 ジョシュ・ハレルソンはBリーグ創設の2016年から日本を主戦場として、日本国籍を取得したばかり。すでに35歳と若くはないが、208cm125kgの恵まれた体格に加えて、今の日本代表のバスケに欠かせない3ポイントシュートも備えている。走れるホーキンソンとタイプが異なるが、2人を使い分ける選択肢は日本代表の新たな武器となる。 22歳の三谷桂司朗と市川真人、18歳の川島悠翔もメンバー入り。ホーバスは女子日本代表を率いていた頃からチームに『新たな血』を加えることに貪欲で、新戦力を次々に台頭させることで選手たちをチーム内で競争させ、その成長を引き出してきた。多くのコーチは若手を代表合宿に呼ぶ時に、今後に備えて雰囲気を経験させることを意図するが、ホーバスは実績のない選手でも思い切って起用する。事実、河村や西田優大、井上宗一郎はそうやってホーバスが引き上げた戦力であり、それに続く若い力の台頭が望まれる。 『新顔』ではない選手への期待も大きい。須田侑太郎、今村佳太、渡邉飛勇、金近廉あたりは昨年も代表合宿に参加しており、ワールドカップの日本代表メンバーに選ばれる可能性もあった選手。すでにホーバスのバスケを理解している彼らは言わば即戦力であり、『海外組』不在の今回の2試合は絶好のアピールの機会となる。