のと鉄復活を落語に 桂しん吉さん「能登の人に笑顔を」
●26日、穴水で上演 能登半島地震で被害を受けたのと鉄道(穴水町)の運行再開までの軌跡が創作落語で描かれる。上方の落語家で、鉄道ネタが得意な桂しん吉さん(46)が26日、穴水駅近くの会場で上演会を開く。「能登の人たちに一時でもつらさを忘れ、笑顔になってもらえるよう、落語家としてできることをしたい」と意気込んでいる。 【写真】落語を披露する桂しん吉さん 「復活、のと鉄道」と銘打ち、26日に穴水町さわやか交流館プルートで開かれる「穴水駅前落語会」(北國新聞社後援)で上演される。能登での披露は今回が初めてとなる。 子どもの頃から鉄道が好きで、のと鉄道は「いつかは乗ってみたい路線だった」と話す桂さん。2023年1月から毎月1話のペースで、全国のローカル鉄道などを題材にした創作落語作りに取り組む中で、「被害を受けたのと鉄道の力になりたい」と、シリーズの番外編として、ネタを作った。 取材のために4月13日に能登を訪れ、のと鉄道田鶴浜駅から、「能登さくら駅」として知られる能登鹿島駅までの約24キロを5時間以上掛けて歩いた。震災の爪痕が残る中、桜や菜の花などに囲まれて走る列車、能登鹿島駅で満開の花を楽しむ人たちからアイデアを得たと振り返る。 落語には能登で見た風景や、発災から3カ月での復旧を成し遂げるまでのエピソードを盛り込み、のと鉄道社員らの苦労やJR西日本の支援などを紹介している。当初は被災地を笑いのネタにすることへの迷いがあったが、実際に能登を訪れ、早期復興の願いを広く知ってほしいとの思いになったとし、「地域と寄り添って走る鉄道の魅力を伝えたい」と話した。 上演会は午後4時半開演で、桂さんは古典落語も披露する。入場無料。