【インタビュー】DeNA・松尾汐恩 がむしゃらに上の舞台へ「一軍で結果を出すということが、一番の恩返しになる」
一番上を想定したから
黄金ルーキーの活躍は希望であり願いだ
希望であり願いでもある言葉を冠する小社選定のスター候補表彰『ビッグホープ賞』。今年は、イースタンから攻守走そろった捕手、ウエスタンからロマンあふれる大砲候補が受賞した。まずは、イースタンから選出されたDeNA・松尾汐恩の声をお届けする。意識を高く持って入団してきたプロ1年目を終え、胸に宿ったのは大舞台への使命感だった。 取材・構成=武石来人 写真=高原由佳、BBM 大きな期待を背負いドラフト1位で入団してから約1年。攻守走すべてにおいてレベルアップを図ってきた。迷わずに突き進めた背景には、最も高いレベルを想定してプロ生活を始めたから。成果を手に晴れ舞台で壇上に立ったことで、さらに上のレベルを視界に捉えている。 ──初めてのNPB AWARDSはいかがでしたか。 松尾 立派な会場のすごい雰囲気の中、壇上にも立たせていただいたことで、良い1年を過ごせたんじゃないかなと思いますし、より来年へ向けて頑張りたいという気持ちが湧いています。 ──小社選定のビッグホープ賞ですが、過去に受賞された選手を見て感じる部分はありますか。 松尾 チームの現役だと関根(関根大気)さんが受賞されていて、自分とは入れ違いで一緒にプレーはしていませんが中日の細川(細川成也)さんなど、第一線で活躍されている方が選ばれていますし、イチローさんも選ばれたことがあると聞きました。自分も皆さんに肩を並べられるようにという気持ちを前提に持って、頑張っていきたいと感じているところです。 ──9月にはサイクル安打を達成するなどもあり、イースタン・リーグ特別表彰を受けました。 松尾 あの日は最後の打席で本塁打を打ちましたけど、打ってから実感した部分が大きかったです。本当に周りの方々のおかげで達成できたサイクル安打だと思いますし、素直にうれしいです。 ──AWARDSを終えて、今後、目指したいタイトルは出てきましたか。 松尾 一軍での首位打者など、どちらかと言えば打撃部門に寄ったタイトルを狙っていきたいですね。 ──プロ野球選手として最初の1年が終わろうとしています。思い描いていた“プロ生活”とのギャップなど感じるところはありましたか。 松尾 比較的想像どおりというか、想定した範囲には収まっていました。というのも、入団前からやはりプロ野球選手として絶対になめてかかってはいけないと思っていて、「自分はまだまだダメだ。皆はもっとすごいから、もっともっと頑張らないと追いつけないぞ」と考えていました。だからプロ生活の予想は一番高く見積もっていたんです。要は、とてつもなくレベルが高くて、もはや最初は手の届かないところで選手たちが戦っているんだと想像しながら入っていったわけです。そのおかげもあったのか、想定していた中では収まったというイメージでいますね。 ──プレー面ではいかがでしょうか。 松尾 それはもうレベルの高い選手ばかりだということは、この1年で大いに感じました。ただ・・・
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週刊ベースボール