今年の日本シリーズも十分に見応えがあった。それでもやはり勝負事は勝たなければならない。日本一になった岡田阪神は大あっぱれだ!【張本勲の喝!!】
岡田監督の采配
チームを38年ぶり2度目の日本一に導いた阪神・岡田彰布監督[写真=高原由佳]
少し前の話になるが、今回は阪神対オリックスの日本シリーズについて話しておこう。59年ぶりの関西シリーズとなったが、4勝3敗で日本一となったのは阪神だった。阪神の日本一は38年ぶり2度目のようだが、そんなに久しぶりのことかと思うとともに、あれだけの人気球団でありながら、これまでたった一度しか日本一になっていなかったのかというのが正直な気持ちだ。 私の戦前の予想は4勝3敗で阪神だったから、ズバリと的中したわけだが、どちらが勝つにしろ第7戦までは競り合うと思っていたから4勝3敗とし、最後はどちらのほうが勢いがあるかと考えて勝者を阪神にした。ただ、予想が当たったのはたまたまのことで、もしかしたら第1戦に勝った阪神の4連勝もあったかもしれないし、第2戦と第3戦に連勝したオリックスの4勝1敗もあったかもしれない。 意外だったのは、両チームともに投手力が高いから、もっとロースコアの展開で試合が動いていくと思っていたが、そういう試合は少なかったことだ。第1戦でオリックスのエースの山本由伸が6回途中で7失点降板となったが、まさか山本があれだけ打たれるとは誰も想像がつかなかっただろう。7試合の総得点は阪神が30、オリックスが24だったが、私はもう少し低くなると思っていた。1対0や2対1など、そういうスコアが多くなると思ったのだ。阪神がサヨナラ勝ちした第4戦の4対3が一番のロースコアだった。 ミスが目立ったシリーズでもあるが、おそらく土のグラウンドの甲子園が舞台だったこともあるだろう。もっとも、だから仕方がないとは言わないが、日本シリーズの緊張感にミスが続いた負の連鎖で、そうなってしまったと思う。そして・・・
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週刊ベースボール