体を震わせトランス状態!『破墓/パミョ』お祓いシーンの本編映像に震撼
第74回ベルリン国際映画祭に正式出品され、第60回百想芸術大賞で4冠を受賞、2024年韓国No.1大ヒットを飾った話題作『破墓/パミョ』が、10月18日(金)より日本公開される。監督、脚本は、『プリースト悪魔を葬る者』(15)、『サバハ』(19)で観客を魅了してきた鬼才チャン・ジェヒョン。このたびジェヒョン監督やキャスト陣の来日を前に、鬼気迫るお祓いシーンの本編映像が解禁された。 【写真を見る】鬼気迫るお祓いシーンに息を呑む 本作は、墓に隠された恐ろしい秘密を掘り返すというサスペンス・スリラー。墓地を見る風水師サンドク役に、『オールド・ボーイ』(03)で映画賞を総なめにした演技派俳優チェ・ミンシク、お祓いを行なう巫堂ファリム役に、ドラマ「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」で社会現象を巻き起こした人気女優キム・ゴウン。改葬を仕切る葬儀師ヨングン役を、『コンフィデンシャル/共助』(17)で存在感を見せつけた個性派俳優ユ・ヘジンが、祈祷を捧げる巫堂ボンギル役を、ドラマ「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」で一躍注目を集めた若手俳優イ・ドヒョンが務める。 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18)、『パラサイト 半地下の家族』(19)を超えて韓国で約1200万人を動員、『犯罪都市PUNISHMENT』(公開中)、『インサイド・ヘッド2』(公開中)を抑えて7週連続で第1位を記録し、2024年のNo.1大ヒットとなった本作。第74回ベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映され、世界133か国で公開が決定した。また、第60回百想芸術大賞では、監督賞、主演女優賞、新人男優賞、芸術賞を受賞するなど、海外で熱狂と快挙が報じられた超話題作だ。 今回解禁となった本編映像は、巫堂ファリムが“テサルお祓い”を行なうシーンだ。このお祓いは、映画のために創作した単語で、基本的に豚や牛を生贄として神に捧げる儀式であるタサルお祓い(出典:国立国語院標準国語大辞典)と同じ意味のものとなる。跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、先祖の墓の改葬依頼を受けたファリムと弟子ボンギルは、風水師サンドクと葬儀師ヨングンとともに、改葬とお祓いを同時に行なうことに。 テサルお祓いとは、一種の疑似お祓いで、別名、厄落としでもある。供え物はブタ5匹で、イノシシ年の働き手5人に墓を掘らせて、地の悪い気を供え物に移し、ファリムが代わりにお祓いを行なうというもの。青い服に身を包んだファリムは、白い服で祈祷を捧げるボンギルに合わせて刀を振り回し、踊りながら奇声を上げ、徐々になにかが乗り移るかのように、体を震わせてトランス状態に入っていく。やがて、改葬を仕切るヨングンの合図により、改葬が始まるというシーンで締めくくられるが、ゴウンによる圧巻の演技が見どころの本編映像となった。 ジャンルの特色を失わず、リアリティーを実現するために心血を注いだ制作陣。イ・モゲ撮影監督は事前準備の段階から、ジェヒョン監督と議論を重ねて方向性を設定していった。監督はリアリティーを生かすためにCGは最小限に抑え、実写での撮影を原則とした。フォーカスが少し合っていない不格好な画面もそのまま使用し、勢いが感じられる映像を実現。特に撮影監督が最も強烈なエネルギーを感じたというテサルお祓いのシーンでは、その場にいたすべての俳優が夢中になっているような雰囲気を壊さないよう、4台のカメラを使って撮影するなど、細心の注意を払った。 ジェヒョン監督は、「サンドクは直観的に物事を見抜く力を持った人物なので、直視する目つきが感じられるイメージを大事にし、ファリムは普通の人には感じられない世界を行き来する人物なので、直感的なイメージを逃さないようにしました」と語り、各キャラクターの特性を損なわない撮影を心がけたと解説。 公開に合わせてミンシク、ゴウン、ジェヒョン監督が来日し、3人は10月10日(木)のジャパンプレミアに登壇予定で、さらに翌11日(金)には、ミンシクとジェヒョン監督のスペシャルトークショーも開催予定なので、今後の続報を待ちたい。 文/山崎伸子