女性のタトゥーを消し、肌の露出を隠すAI写真加工ツールが炎上「堕落した女性に品格を与えよう」海外SNSで非難殺到
日常生活の「あったらいいな」が実現したり、面倒だった作業が効率化できたりと、社会にさまざまなメリットをもたらしているAI(人工知能)技術の発達。一方で、虚偽の画像や動画を作るディープフェイクのような悪用と、それによる違法性も危険視されている。そんななか、AI写真加工ツールを用いて「堕落した女性に品格を与えよう、おもしろいから」というキャンペーンがSNS上で批判の的となっている。
議論を巻き起こしているのは、「DignifAI」というAI技術を使った写真加工ツール。世界最大のインターネットミームの発信源であるオンライン掲示板「4chan」での投稿が発端となり、「タトゥーを入れたり、肌を露出したりしている堕落した女性たちに、“きちんとした”格好をさせて品格を与えよう」という女性蔑視的なキャンペーンへと発展。Xでは、体に入れたタトゥーを消されたり、元々露出していた肌を覆い隠されたりした女性のBefore→After画像が次々と拡散されている。
これに対し、SNSでは「AIで女性の服を脱がせたり、着せたりする行為は紛れもなくセクハラ」「自己快楽のために、無作為の女性をモノ扱いしてコントロールするなんて言語道断」と批判が殺到。さらに「タトゥーを消したり露出を隠したりするだけではなく、顔や体全体も細く加工されている」「細くて保守的な格好をした女性を自分の支配下に置きたいという、男性のゆがんだ理想が反映されている」という声も寄せられた。
ミソジニー、ボディシェイミング、ジェンダーバイアス、ステレオタイプな美の基準など、あらゆる次元において問題をはらんでいる今回の事態。生活を豊かにしてくれるはずのAIが、人を蔑んだり、嘲笑したりする道具として使われてしまうのは悲しいこと。個人単位、そして社会全体にアップデートを促すために、「こんなことは間違っている」と声を上げ続ける必要がある。