若手社員のメンタルの「赤信号」を見極める4つの不調 「働き続けるチカラ」に必要なのは“鋼の心”より“柔軟さ”
新年度がスタートして、もうすぐ2ヶ月。新入社員を迎えた会社多いでしょう。 ただ、この時期に若手の早期離職や休職の問題が降りかかる職場も少なくありません。 産業医・精神科医として新人研修を担うこともある堤多可弘さんが、メンタルヘルス不調を減らし、社会人生活を滑らかにする極意をお伝えします。人事や教育担当者のみならず、新入社員にも一読をお勧めします。
メンタルの「ゆらぎ」にご注意
ビジネスパーソンに必要なものは「働くチカラと働き続けるチカラ」です。両者は似ているようで実は違います。 働くチカラ:ビジネスマナーや経理、営業など一般的なビジネス向けスキル。 働き続けるチカラ:パフォーマンスを発揮し続ける能力。例えば仕事への意欲を維持したり、健康を保ったりすること。 今回、特にお伝えしたいのが、この働き続けるチカラとしてメンタルを保つスキルです。 「え? メンタル? そんなの関係ないや。うつ病とかなったことないし」 多くの人は、こう考えるでしょう。 もちろん、うつ病は誰もが必ずなる病気ではありません。ただ、パフォーマンスに影響を与えてしまうメンタルの「ゆらぎ」は、誰もが経験するもの。 メンタルの不調を予防することはもちろん、そのゆらぎをできるだけ小さくすることも社会人にとって大切です。
必要なのは「鋼の心」ではない
メンタルの維持に役立つ考え方として、「こころのレジリエンス」があります。 こころのレジリエンスとは、簡単に言えばメンタルの強さを指します。 こう書くと、「何にも動じない鋼の心」がイメージされますが、実は違います。メンタルのレジリエンスで重要なのは、「弾力性」「適応力」「回復力」と言われています。 こうしたメンタルの力を高めるには、規則正しい生活や運動はもちろんのこと、ストレスをためづらい考え方が役立ちます。 例えば、「こうあるべきだ」と自分を追い込む「べき思考」がストレスの原因になることもあります。過剰な「べき思考」をバランスよく改めることが、「弾力性」のアップにつながります。