エヌビディアの幹部・取締役ら、今年7億ドル超の自社株売り
(ブルームバーグ): 米半導体メーカー、エヌビディアの幹部・取締役らは今年、7億ドル(約1100億円)余りの自社株を売却した。人工知能(AI)タスクに使用される同社製品の需要が追い風となり、エヌビディアの株価は記録的な上昇を続けている。
同社は1株を10株に分割する株式分割を10日に実施。この影響を除くと、幹部・取締役らは今年これまでに約77万株のエヌビディア株を売却している。ワシントン・サービスがまとめたデータによると、約84万8000株が売却された2023年1-6月(上期)以来、半年間で最多。
24年にエヌビディア株が急上昇したことを考えると、今年の自社株売却額は以前の期間を大きく上回る。コンピューティングパワーを高めようとする企業間の競争が、いわゆる「AIアクセラレーター」チップの需要を押し上げている。
シチズンズJMPセキュリティーズのマーク・リーマン最高経営責任者(CEO)によれば、自社株売りは注目に値するが、報酬の一部が株式で支払われていることや、エヌビディア製品に対する需要が減速する兆しがないことを考えれば、必ずしも警戒する必要はない。
同CEOはインタビューで、「このような富が創出され、このような時価総額が創出されるのを見るときはいつでも、誰が出入りしているのか、私はいつも注視する。その方が問題だ」と述べた。
エヌビディアの幹部・取締役らが今年売却した自社株の3分の1以上は、5月22日に行われたエヌビディアの2-4月(第1四半期)決算発表以後に売却されたもの。
最大級の売り手はマーク・スティーブンス、テンチ・コックス両取締役。ジェンスン・フアンCEOは17日、事前に取り決めたトレーディング計画に基づき約3100万ドルの自社株を売却したと報告した。エヌビディアの担当者はコメントを控えた。
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原題:Nvidia Insiders Cash In on Rally as Share Sales Top $700 Million (抜粋)