佐賀2区の解放結果

　27日に投開票された衆院選で、佐賀県内二つの小選挙区では、いずれも立憲民主党前議員の候補が議席を守った。与野党一騎打ちとなった佐賀1区は、原口一博さん（65）が勝利し、同2区は、大串博志さん（59）が4人による争いを制した。新政権発足からわずか2週間で突入した今回の選挙戦は、自民党派閥の政治資金問題を受けた政治改革や物価高対策などを争点に論戦が繰り広げられた。1、2区とも激しい戦いとなったが、2017、21年の衆院選に続いて、野党系候補が県内の小選挙区を独占する結果となった。 【写真】当選確実となり、万歳姿の大串さんのパネルと共に喜ぶ大串さんの妻・佳子さんと支持者ら

佐賀2区

　大串さん当選確実の一報が入ると、佐賀県小城市の会場では大きな歓声が上がった。大串さんは不在だったが「より良い佐賀、そして日本をつくるために頑張っていく」とコメントした。

　前回選で、野党統一候補として自民党候補を一騎打ちで破ってから、党の代表代行と選挙対策委員長の重責を担う立場となった。多忙な中でも毎週末のように地元に戻り、多い時は1日に20か所以上の祭りやイベントに足を運ぶなどして、支持を広げてきた。

　今回の選挙戦で、選挙区内を回れたのはわずか3日。それでも全域をくまなく訪れ、有権者と丁寧に向き合う姿勢を示した。

　石破首相就任から戦後最短の衆院解散となったことを「裏金隠し」と批判。また物価高対策について、「利益が中小企業や農業まで回ることで地方が潤い、皆の給料が上がる日本をつくる」と主張した。

自民党の古川康さん、また比例復活

　2017年、21年の衆院選では小選挙区選で苦汁をなめた自民党前議員の古川康さん（66）は、今回も小選挙区でライバルの大串さんに敗戦。同県唐津市内のJAに詰めかけた支持者らは、比例復活当選への望みをつなぎ、開票結果を見守った。

　知事を約12年間務め、高い知名度を背景に14年の衆院選佐賀2区に初挑戦で勝利した。だが大串さんとの対決では直近2回の小選挙区選で連敗。いずれも比例復活当選で救われた。今回は自民党への逆風から「比例復活は相当厳しい」と背水の陣で臨んだ。

　党支部や県農政協議会などが組織戦を展開した。古川さんは22年からの国土交通政務官時代の実績を強調し、与党議員の存在感をアピール。特に自然災害の甚大な被害に早急に対応した成果を挙げ、「県西部の自民の議席の死守を」「小選挙区で勝たせてほしい」と声をからして訴えていた。