『アラスカワイルドファミリー』より

アラスカ出身の男性と日本で出会い結婚したざわじまれなさん。二人で一緒にアラスカへ帰省すると、そこで待ち受けていたのは、超ワイルドで個性的な家族とアラスカの壮大すぎる自然だった…！　刺激的だけどほっこり暖かくて笑えちゃうアラスカでの日々を描いた国際結婚コミックエッセイ『アラスカワイルドファミリー』。今回は、作者のざわじまれなさんにアラスカでカルチャーショックを受けたことや家族との印象的なエピソードを聞きました。 【漫画を読む】ざわじまれなさんの『アラスカワイルドファミリー』を最初から読む ■あらすじ 子どもの頃に両親が離婚した影響から大家族への憧れが人一倍強かったレナさん。北海道の大学で出会ったアメリカ人男性トマさんと付き合うことになり、その後結婚することに。 トマさんはデート中に突然岩壁を登り始めたり、道なき道を進んでいったりと、時々行動がなんだかワイルド。そう、トマさんの出身はアメリカといっても、大自然あふれるラストフロンティア・アラスカだったのです！ そんなトマさんの実家で待ち受けていたのは、元軍人で超コワモテのお父さん、お茶目なお母さん、日本オタクの弟くん、破天荒なスピリチュアルミュージシャンの妹ちゃんなど「クセつよ家族」のメンバーたち。個性的で愉快な家族がレナさんを“超ワイルドに“迎え入れてくれたのです！ 寒い場所は-30℃以上という、アラスカ最北の地・バローを訪れた一家のエピソードも衝撃的です。ここでは記念写真を撮るのも命がけだそう…。 車で一面凍った海へ連れて行かれたレナさんたちは、お父さんの「車からおりろ！」の号令で車から降り、「今は向かい風だ、長時間カメラを見るのは危険すぎる。俺の合図で一瞬だけふりむけ！」と指示され、「3、2、1、NOW!」の声と同時に一瞬で写真を撮ったのでした…。 ■ワイルドすぎるアラスカ、そこは想像を遥かに超える大自然 ――アラスカに行く前は、アラスカについてどんなイメージを持っていましたか？ ざわじまれなさん：北海道出身の私にとって本当に最初のイメージは「アラスカ＝カニカマ」でした。(※北海道ではアラスカという名前のカニカマが売られている) あとは寒そう、動物がいる、オーロラが見られる？など。行ってみるとほぼイメージ通りでしたが、寒い場所は-30℃以上だし、家の庭に日常的にムースが出るしで、その規模が想像を遥かに超えていました。ちなみにオーロラはまだ見られていません。 ――アラスカに行って最もカルチャーショックを受けたのはどんなことですか？ ざわじまれなさん：アラスカはとにかく土地が広いので、ちょっとした買い物でも自家用車が必要だという点です。家族は一人一台車を持っているのが当たり前で、免許を持っている人が同乗していれば14歳から車が運転できるそうです。 アラスカには電車や地下鉄はもちろんないし、バスは治安が悪そうなので乗る勇気がなく…私は車の運転が苦手なので、この地にポツンと一人で取り残されたら生きていく自信がないなあと思いました。 ■熱心に感想をくれる弟くん！アラスカのファミリーも愛読中！ ――特にインパクト大だったアラスカファミリーとのエピソードを教えてください。 ざわじまれなさん：お父さんの経営する農場を訪れた際に、バギーに乗せられて農場の敷地内の森を駆け回ったことです。敷地内には川も流れていて、サーモンが普通に釣れたりして、普段日本の小さなアパートで暮らしている私にとって全てが理解できる範囲を超えていました。 ――トマさんやアラスカのファミリーは作品を読まれていますか？　その反応はいかがでしたか？ ざわじまれなさん：日本語版しか出版されていないのに、夫家族や親戚まで本を入手して、Googleレンズ等で各自翻訳しながら作品を楽しんでくれているみたいです。特に弟くんは連載時から感想をくれていて、新しいエピソードが公開されるのをいつも楽しみにしてくれていました。エッセイでは実在する人を描かせてもらうので、キャラクターのデザイン等には結構気を使っていたのですが、みんな気に入ってくれたようでそちらも安心しました。 ＊＊＊ 家の庭には日常的にムースが出るという極寒の地アラスカ。気軽に行ける距離ではないけれど、人生で一度くらいはそのスケールのでっかい大自然を味わってみたくなりますね。 取材・文＝宇都宮薫