岩佐歩夢、スーパーフォーミュラ初戦は9位「悪くないレースだった……それだけに予選が悔やまれる」。次戦巻き返しを誓う
スーパーフォーミュラでの初戦を終えた岩佐歩夢(TEAM MUGEN)は、「悪くないレースだった」と語る一方で、「それだけに予選の結果が悔やまれる」と語った。 【リザルト】スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿レース結果 昨年までは2年間FIA F2を戦い、チャンピオン争いを繰り広げるなどした結果、F1参戦に必要なスーパーライセンスの発給条件を満たした岩佐。今季の戦いの場はスーパーフォーミュラ……F1に向け、実に重要なシーズンが幕を開けた。 テストでは常に上位に顔を出していた岩佐だったが、鈴鹿サーキットでの開幕戦の予選では苦戦。11番グリッドから決勝レースに挑むことになった。 その決勝で岩佐は、スタート直後にふたつ順位を落としたが、前を行くマシンがリタイアしたことでポジションを回復。その後はタイヤを労りつつ、最初のスティントを伸ばしに伸ばしていった。 そして全車中最も遅い残り5周というタイミングで、岩佐はタイヤ交換義務を消化。10番手でコースに復帰すると、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を抜き、松下信治(TGM Grand Prix)にプレッシャーをかけた。最後松下を抜くことはできなかったが、9位入賞。なんとかポイントに辿り着いた。 「確実にポイントを獲ることができました。全体的なパフォーマンスを考えても、悪くないレースだったと思います」 岩佐はレース後にそう語った。 「第1スティントを結構引っ張りましたけど、タイヤが悪い中でもペースは良かったですし、最後はオーバーテイクもできました。戦略やパフォーマンスも含め、レース自体は悪くなかったと思います」 「決勝についてはもう少し上に行きたかったです。クルマと自分のポテンシャルを考えれば、もう少し上に行けたと思います。でも状況を考えれば、9位という結果は悪くなかったと思います」 「だからこそ、予選の結果は悔やまれます。そこを含めてパフォーマンスを上げられるように、次戦以降しっかりと準備していきたいと思います」 タイヤ交換のタイミングを遅らせたのは、エンジニアの判断だったと岩佐は明かす。 「ケースバイケースで(ピットインのタイミングを)決めようという話をしていたので、基本的にはエンジニアの判断でした」 「レース中、特に指示はなかったです。自分はタイヤマネジメントと、前が空いた時にペースを上げていくということをしていたので、それを見てエンジニアが判断したんだと思います」 スーパーフォーミュラの次戦はオートポリスで行なわれる。オートポリスは岩佐にとって、走行経験のない未開の地とも言える。チームメイトであり、今回のレースで優勝した野尻智紀のように事前準備をしっかりと組み立て、オートポリス戦に挑みたいと岩佐は言う。 「オートポリスは走ったことがないサーキットなので、フリープラクティスは難しいと思いますが、ひとつずつ着実に組み立てていかなきゃいけないと思います」 そう岩佐は語る。 「今回の反省点は、土曜日の予選に向けた、フリー走行90分間の組み立て方です。次回も、それが重要になってくると思います。そのためには事前準備をしっかりして、積み上げていきたいですね」 「それが、野尻さんの強みなんじゃないかと思っています。ですからそこはチームと共にうまく吸収して、自分の成長に繋げたいです」 「今回はOTS(オーバーテイク・システム)の使い方やタイヤに関して、新しい発見もありました。それについては次戦以降、自分のスキルやポテンシャルを上げられると思っています」
田中健一, 戎井健一郎