止まらない「ミスター・ジューン」大谷翔平、1番定着後打率.444「スイング良くなっている」監督
<ロッキーズ3-5ドジャース>◇20日(日本時間21日)◇クアーズフィールド 【デンバー(米コロラド州)20日(日本時間21日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、本塁打数でリーグ単独トップに立った。 【動画】大谷翔平21号先頭打者弾でリーグ単独トップ バックスクリーンへ2試合ぶり一発 ロッキーズ戦に「1番DH」で出場し、21号の先頭打者アーチで打線を勢いづけた。直近5試合で4発。並んでいたブレーブスのオズナを抜き、一時期は3割5厘まで落ちた打率も3割1分8厘まで上げて、1位のパドレスのプロファーまで3厘差とした。シリーズ4連戦で勝ち越しに貢献し、21日(同22日)からの古巣エンゼルスとの2連戦を前に弾みをつけた。 ◇ ◇ ◇ 大谷が、また打った。左腕ブラックの4球目、甘い球を逃さなかった。2日前のデジャブかのようにセンター方向へ一直線。スタジアムを真っ二つに割る放物線を描いた。人工の川が流れる森林ゾーンへ、自身7度目の先頭打者アーチ。半信半疑で走りながらフェンス越えを確認すると、右手人さし指で決めポーズを作った。ロバーツ監督は「ショウヘイはホットな状態(絶好調)が続いている。序盤の得点は、大きかった」と目を細めた。 試合開始時で気温33度。デーゲームで日差しが強い上に、敵地デンバーのクアーズフィールドは高地で空気が薄いとされる。9回、全力疾走で内野安打を放ち、しんどい様子を見せていたフリーマンは「酸素を使い果たしてしまった。4連戦で暑い日もあった。でも、大丈夫」と苦笑い。野手以上にスタミナを要する先発投手には特に厳しい環境だった。二刀流で、その過酷さも知る大谷。8勝目を挙げた2年目の右腕ストーンを、先制弾で援護した。 有言実行の1発でもあった。21日からは古巣エンゼルスと2連戦。大谷自身も心待ちにしていたが、まずはシリーズ勝ち越しが最優先。この日の試合前、ロバーツ監督も「明日が来れば、彼はアナハイム(エンゼルスの本拠地)で過ごした時間や、ファンへ感謝の気持ちを感じるだろうけど、まずは、ドジャースの勝ちに貢献したいと思っているはずだ」と代弁。言葉通りに、5打席で1安打2四球(敬遠を含む)と3度出塁した大谷が打線をけん引し、シリーズ4連戦を3勝1敗で勝ち越しに導いた。 本調子ではなかった5月中旬から6月上旬を乗り越え、本塁打数でリーグ単独トップに立った。左手を骨折したベッツに代わり、1番に定着してから打率4割4分4厘。トップバッター起用について、ロバーツ監督からは「デフォルトで(自動的に)。他にいない。完璧なデフォルト。彼には経験もあるし、以前よりスイングが良くなっている」と信頼を寄せられる。「ミスター・ジューン」として月間通算で最多の50本目に到達。アーチ量産態勢に入った勢いは、止まりそうにない。