神村学園の秘策…昨春以来公式戦登板なしの左腕が先発 作新学院の対戦が決まった「その瞬間に決めました」 小田監督「他のチームだったらなかった」【選抜高校野球】
◆第96回選抜高校野球大会1回戦 神村学園6―3作新学院(22日・甲子園球場) 県勢の春夏甲子園通算100勝目は昨秋の関東王者を下す金星となった。「攻撃的に仕掛けないと、普通に勝負しては勝てないと思った」と小田大介監督はまず、先発マウンドに背番号7の左腕・上川床を送り出した。 ■九州勢はここまで3勝【選抜組み合わせと結果】 投手として入学した上川床勇希だったが、左手指の骨折も影響し、4強進出を果たした昨夏の甲子園は野手専任。昨春の県大会以来、公式戦登板は一度もなかった。 そんな左腕の先発起用を8日の組み合わせ抽選会で対戦が決まった「その瞬間に決めました」と小田監督は明かした。 作新学院OBでもある〝江川卓二世〟の評判を取るプロ注目の右腕の小川哲平を擁し、スタメンに左打者が6人。「左バッターも多いし、(上川床の)データも多分ないでしょう。他のチームだったら、なかった」と小田監督が明かした〝秘策〟が的中した。 「投げ始めたのは、今年に入ってから」という167センチの左腕の復帰マウンドはいきなりの甲子園。試合前の「6番ピッチャー、上川床君」というアナウンスに「準備はしていたんですけど、まさかと思いました」という上川床が5回まで無失点で好投。3回に4番の正林輝大がソロアーチを放つなど5回までに4点を奪って小川哲を降板させると、その〝貯金〟を4人の継投で守り抜いた。 「みんなで粘り強く戦ってくれた結果」と小田監督。この勢いと自信で、昨秋の近畿大会王者の大阪桐蔭と2回戦で対戦する。
西日本新聞社