【Playback箱根駅伝】第92回/青学大39年ぶりの偉業! 1区から首位の「完封リレー」で連覇
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第92回箱根駅伝総合成績をチェック
第92回(2016年/平成28年) 青学大が6区間で区間1位 東京国際大が初出場<
91回大会で吹き荒れた“アオガク旋風”から1年。92回大会は連覇を狙う青学大、全日本大学駅伝で悲願の初優勝を飾った東洋大、前回2位で全日本も3位に食い込んだ駒大による「3強」による優勝争いが予想されていた。 10月の予選会では東京国際大が初の予選会突破を果たした。 1区はハイペースで推移し、先頭集団は15kmを43分33秒で通過した直後に関東学生連合の創価大・山口修平(4年)がペースアップ。集団が散り散りになると、16kmで今度は青学大の久保田和真(4年)がスパートした。やがて久保田と横手の一騎打ちへ。18kmの手前でさらにペースを上げた久保田は横手を置き去りにし、区間歴代3位の1時間1分22秒で区間賞を獲得。22秒差で横手が続き、優勝候補の一角・駒大は、青学大から1分50秒差の13位と苦戦を強いられた。 2区では青学大の一色恭志(3年)が悠々と先頭を駆ける後方で、東洋大のエース・服部勇馬(4年)が圧巻の走り。区間歴代5位の1時間7分04秒で7位から2位へ上がり、青学大との差を53秒から22秒へ。3位は新留学生のドミニク・ニャイロ(1年)が7人抜きを見せた山梨学大。4位は明大が続いた。 青学大は学生駅伝初出場の3区・秋山雄飛(3年)がぐんぐんその差を広げていく。秋山は区間歴代5位の爆走で後続に1分35秒の差をつけ区間賞を獲得。2位東洋大、3位山梨学大は変わらず、1区で出遅れた駒大が中谷圭佑(3年)の力走で6位から4位まで上げた。 4区以降は、青学大の独壇場。4区の田村和希(2年)が前年に続く区間賞でリードを2分28秒へ広げると、5区の神野大地(4年)はシーズン中に2度の疲労骨折に見舞われながらの力走。タイムは前回より3分以上遅れる1時間19分17秒だったが、それでも区間2位の好成績だった。 往路2位は3分04秒差で東洋大、同3位に駒大、同4位に早大が入り、6位に入った日大のダニエル・ムイバ・キトニ―(4年)が留学生史上初の5区区間賞に輝いた。 復路では青学大の勢いがさらに加速した。6区は学生駅伝初出場となる1年生の小野田勇次(1年)。従来の区間記録に並ぶ58分31秒(区間2位)で山を駆け降りると、7区の小椋裕介(4年)は2年連続区間賞、8区の下田裕太(2年)は区間歴代3位の好タイムで区間1位とあっという間にリードを7分03秒まで拡大した。 10区の渡邉利典(4年)もチーム6個目の区間賞を獲得し、圧巻の継走で2連覇を成し遂げた。1区から先頭を譲ることない“完封リレー”は1977年の日体大以来39年ぶりの快挙だった。 2~4位は往路と変わらず東洋大、駒大、早大の順でフィニッシュ。6位の順大は3年ぶりのシード権をつかみ、7位は6区の秋山清仁(3年)が58分09秒の区間新記録を樹立した日体大が2年ぶりにシード校へ返り咲いた。 大会最優秀選手に贈られる「金栗四三杯」は1区で完封リレーの口火を切った青学大の久保田が受賞した。
月陸編集部