空前絶後の2000本安打5人達成へ高まる可能性。そのXデイとは?
評論家の里崎智也氏は、2000本達成の可能性を持った彼らの好調理由のひとつに「ケガをしていない」というポイントをクリアしている点を指摘する。 「荒木も含めて5人の共通点は、キャンプからケガなく万全な体調で開幕を迎えていることにあります。キャッチャーへの再コンバートをする予定だった去年の阿部は、ずっと体調が悪くて、交流戦まではペースが上がらなかったし、鳥谷にしても、シーズン途中に負った骨折を我慢してプレーしていたと聞きます。2000本にカウントダウンしている選手のバッティング技術が年齢と共に下がることはありません。問題は、体力、体調なんです。やはり年齢と共に筋力は落ち、疲労の回復も遅れ、故障するリスクは増えます。ケガをすると、もう技術ではカバーしきれなくなるんです。福浦さんも故障が原因で去年もほとんど試合に出ることができませんでした。ペナントレースは長いですから、今後、今の体調をどう維持していくかがポイントになります。ケガさえなければ、問題なく2000本はクリアするでしょう」 確かに阿部は、昨季、肩などの故障で開幕を2軍で迎え1軍復帰は5月下旬だった。鳥谷は、引っ張りにかかる打撃改造に乗り出して技術的にも失敗するなどしたが、途中、故障を抱えながらプレーしていたことも打率.236の低迷につながっていた。今キャンプでは北條とショートのポジション争いに敗れたことにされて「三塁・7番」でのスタートとなったが、結果が出し6番に打順が上がり「恐怖の6番」となっている。 またWBCにメジャーリーガーとして唯一侍ジャパンに参加してチームの精神支柱となった青木も、今季は絶好調で対左投手に対してもスタメン起用されるチーム方針プランまで出てきている。 NPBで2000本安打達成者がシーズンに4人誕生すれば、1983年に藤田平( 阪神)、 衣笠祥雄( 広島)、 福本豊( 阪急)、 山崎 裕之( 西武)の4人が達成して以来、34年ぶりとなる。日米通算の青木を含め5人の達成となると史上初だが、その実現への視界は良好になってきた。