米次期政権の輸入関税増で、韓国企業の対米投資がさらに拡大=高官
Jihoon Lee Heekyong Yang [ソウル 6日 ロイター] - 韓国の鄭仁敎・産業通商資源省通商交渉本部長は6日のロイターのインタビューで、米次期政権が輸入品への関税を引き上げた場合には韓国企業の対米投資はさらに拡大するとの見方を示した。米大統領選で共和党候補トランプ前大統領の勝利が確定したわずか数時間後に表明した。 鄭氏は他国の選挙についてコメントするのは難しいとしつつ、もしも米国が保護主義的な措置を取れば韓国政府は通商外交に乗り出す一方、個々の企業はより迅速に動くかもしれないとして「関税が引き上げられた場合、企業が考えられる最初の選択肢は直接投資と現地生産を増やすことだろう」と指摘した。 鄭氏はさらに「既に投資が進んでおり、投資が加速し、中小部品メーカーの米国向け輸出も増加する可能性がある」とも言及した。 トランプ氏は米国への輸入品に10―20%の一律関税を課す方針を示しており、韓国の国営シンクタンクは貿易に依存する韓国経済が最大で448億ドルの輸出を失うとの試算を先週発表した。 これは主要な輸出企業で、特に米国で販売される自動車を日本の競合メーカーよりも国内生産に依存している韓国の自動車メーカーにとって打撃となる。 トランプ氏は一部の輸入車に200%の関税を課すとも脅しており、そうなればホンダや日産自動車、韓国の現代自動車などアジアの複数の自動車メーカーに打撃を与えそうだ。 韓国企業の昨年の対米投資は270億ドルと外国投資全体の約44%を占め、これは1998年以来の高水準になったとされる。 鄭氏は産業通商資源省がいくつかのシナリオに対応する方法を準備しており、対話の窓口を確立後に米次期政権と協議するとの方針を示した。 鄭氏は「現状が変わらなかったとしても、韓米関係が大きな影響を受けることはないだろう」との認識を表明。「米次期政権の政策に対応するしかない。とはいえ米国だけでなく、中国とも円滑な貿易が続くように努める」と語った。 韓国の今年10月の輸出は7カ月ぶりの低水準となり、市場予想を下回った。輸出の減速が響き、第3・四半期の国内総生産(GDP)はほぼ横ばいだった。