<高校野球>名門・東邦「平成最後の優勝」に向け始動 1失点完投の石川は打でも貢献
センバツ最多タイの優勝4回を誇る東邦が苦しみながらも1回戦を突破した。主役はエースで3番の主将・石川だ。打っては2打点を挙げ、投げては163球で1失点完投の活躍だった。 【タイムリーヒットを放つ東邦・松井選手】 七回、1点を勝ち越し、なお2死二塁で打席に入った。初球のど真ん中の直球を中前に運んで1点を追加し、試合を決定付けた。 この打撃は石川の観察力がもたらした。六回の打席で左飛に打ち取られていたが、この時、外野がフェンス際まで下がり守っていることを見逃さなかった。七回は外野手の前に打球を落とせば二塁走者が還れると考え、コンパクトに振ることだけを意識していた。 石川は三回にも中犠飛で先制点を挙げ、計2打点。高校通算42本塁打のスラッガーは、4打数無安打に終わった昨年センバツの借りを返した。森田監督も「状況に応じた打撃ができるようになってきた」と評価した。 平成最初(1989年大会)の優勝以来の大会制覇を目指す東邦。森田監督は「優勝するために来た」と言いきる。平成最後の大会で新たな歴史を刻むべく、名門が動き出した。【石川裕士】