森保一監督の盟友の元日本代表MF北澤豪氏「攻撃的3バックは機能した」 大勝したミャンマー戦の内容を評価
◆26年北中米W杯アジア2次予選▽第5戦 ミャンマー0―5日本(6日、ミャンマー・ヤンゴン) 【写真】3月に東京で行われた一戦は日本が北朝鮮に勝利 日本(FIFAランク18位)はミャンマー(同163位)に5―0で大勝し、5連勝を飾った。前半17分、左サイドから抜け出したMF中村敬斗(Sランス)が先制。同34分にはMF堂安律(フライブルク)が追加点を挙げ、2点リードで前半を終えた。後半は30分にFW小川航基(NEC)が頭で合わせて3点目。さらに同38分に再び小川が左足でゴール。アディショナルタイムには中村が右足で豪快なシュートを決めて試合を締めくくった。 すでに最終予選進出を決めている日本は基本陣形の4バックではなく、攻撃的な3バックに挑戦。選手を入れ替えながら新たな戦術やシステムにチャレンジし、勝利を収めた。 1990年代、森保一監督とともに日本代表のMFとして活躍した北澤豪氏は、“格下”相手のミャンマー戦をただの消化試合にせずに戦術の幅を広げるなど新たなトライをしたことに着目。5―0の大勝という結果以上に試合内容を高く評価した。 次戦は11日、広島・エディオンピースウィング広島でシリアと対戦する。 * * * * * 日本は最終予選進出を早く決めたメリットを生かす試合をした。森保監督の第2次政権で初めて先発布陣を3バックで臨み、戦術の幅を増やした。 3バックは攻撃的に機能した。左右のウィングバックが高い位置を取り、相手ペナルティーエリア内に入る人数が多くなった。ただ、高い位置を取るだけではなく、それぞれの選手の絡み方が良かった。特にミャンマー守備陣のギャップ(隙間)に何度も侵入したMF鎌田の存在が大きかった。 2得点を決めたMF中村は急成長している。タテに仕掛けることができるし、斜めにカットインするドリブルも素晴らしい。前半17分の先制点はミャンマーDFの裏を狙って決めた。突破の入り口をいくつも持っている。日本の左サイドには三笘薫(ブライトン)という切り札がいるが、三笘だけではないということを示した。 これまで出場時間が短かった選手たちはそれぞれアピールし、結果を残した。 後半に2得点のFW小川はチームにとっても、本人にとっても、大きなゴールとなった。1点目のヘディングシュートは動き出しが良かった。クロスのボールに強いことを証明した。質のいいクロスを上げられるMF相馬を後半から投入し、小川の良さを引き出した森保監督の采配も光った。 国際AマッチデビューとなったMF鈴木は今季、クラブ(ブレンビー)で大きく成長した。ボールタッチが柔らかく、決定力がある。チャンスメイクよりもFWに近い仕事ができる。 MF川村はサイズ(183センチ、76キロ)があり、前への推進力がある。今後、さらに成長を期待したい。 W杯アジア最終予選、さらにはW杯本戦に向けて戦術を増やし、チームの地力を上げる必要がある。そのためには個の能力を上げなければならない。この日の相手は“格下”のミャンマーだったが、一定以上の収穫があった。(スポーツ報知評論家・北澤豪)
報知新聞社