挨拶する吉村知事

　ブラジル山形県人会（佐藤マリオ会長）は10月29日午前10時から「ブラジル山形県人会創立70周年記念式典」をパラナ州ロンドリーナ市内のイベント施設「Chácara Graciosa」で開催した。同県人会がサンパウロ市以外で周年式典を開催したのは今回が初めて。母県から吉村美栄子県知事や森田廣県議会議長ら慶祝団13人が駆け付けた。

鏡割り

　山形県人のブラジル移住は1908年の第1回移民船笠戸丸でブラジルに渡った高桑治平氏に始まり、戦前に4176人、戦後は730人が移住した。第1回移民着伯に先立つ1906年には「初の日本人試験移民」鈴木貞次郎氏がブラジルに到着している。ブラジル山形県人会は1953年10月4、43県人によりサンパウロ市で「山形縣同郷會」として発足。現在の会員は約200家族。 　これまで同県人会は戦前移民の多いサンパウロで周年式典を開催してきたが、今回は戦後移民の県人会員も多いマリンガやロンドリーナ、アサイなどに目を向け、支部との連携を強めて県人会をこれまで以上に盛り上げていく意味を込めてパラナ州で開催した。 　式典参加のため、母県から吉村県知事や森田県議会議長、山形県農業協同組合中央会の安孫子常哉副会長理事、天童市の山本信治市長ら慶祝団13人がブラジル訪問。当日は、林禎二駐ブラジル日本国大使や西森ルイス連邦下院議員、濵田圭司在クリチバ日本国総領事、ブラジル都道府県人会連合会の市川利雄会長、吉井建設の吉井篤会長など多くの来賓が出席した。吉村知事は今回来伯2回目、10年前の同60周年式典の時もブラジル訪問している。

婦人部の皆さんとケーキカットする吉村知事

　サンパウロから県人会関係者約50人、ロンドリーナ市およびその近郊からは約250人が集まった。近隣諸国のペルーやパラグアイの県人会代表者らも駆けつけ、盛大に節目の年を祝った。国内支部からは武田司平ベレン支部長（たけだしへい）、大野泰治グァタパラ支部長（おおのたいじ）ほか同地の会員、妻沼武男ロンドリーナ支部長が出席した。 　今回の式典やその前日28日に行われたアサイ市パルミタル日本人会での昼食会、ロンドリーナ市での慶祝団歓迎夕食会などはロンドリーナ支部と婦人部が協力した。また、パラナの重鎮である吉井建設の吉井篤会長が、日系社会を応援する意味を込めて式典会場を無償で提供するなど各方面から多くの協力を得て、式典行事が開催までこぎつけた。