プロ野球は緊急事態宣言の影響をどう受けるのか?
全体練習を行わず、個人練習、自主練習に切り替えている西武、オリックス、巨人、横浜DeNA、ヤクルトの5球団も、その形を延長できるかどうも含めて再検討に入る。各チームは、新型コロナの感染リスクを避けるため、密集を避けて時間差での個人練習にし、横浜DeNAなどは、報道陣の取材も規制している。 緊急事態宣言が発令されると対象地域の都道府県知事は、住民に仕事や食料品の買い出しなどを除く、不急不要の外出の自粛要請や、学校、百貨店、映画館などの使用、イベント開催の制限、停止を要請、指示できるようになるが、そのほとんどに強制力はなく、あくまでも自主的な自粛を求めているもの。プロ野球選手にとって「仕事」である練習は、不要不急の範疇には入らないと解釈されているが、感染リスクを避けるための措置として万全を期す考えでいる。 また対象地域に入っていない中日も、現在、活動を休止しており、当初、8日から練習再開を予定していたが、再検討する考えだという。 ただ、緊急事態宣言の期間は、1か月に及ぶため、プロ野球の社会的な影響力を考えると、その間に全体練習を再開することには慎重を期す必要がある。当然、無観客であっても練習試合などの対外試合もできない。全面休止中の4球団が、タイミングを見て、個人の自主トレをスタートさせることに問題はないだろうが、その次の段階へチームの調整を進めることには障害が大きい。各球団の首脳陣が開幕へ向け頭を悩ませる点になる。 そして、問題は、5月末を目指している開幕スケジュールに緊急事態宣言が与える影響だ。 3日に行われた「新型コロナウイルス対策連絡会議」では専門家チームから、「できるだけ開幕は先に延ばしていただきたい。ただ5月の終わりくらいにはなんとかなるのでは」との提言があった。12球団の代表者会議では「4月下旬から5月上旬に新しい日程を決める」という見解でまとまった。専門家チームは、「5月の連休が感染拡大のピーク」と見ており、緊急事態宣言の効果、つまり感染の「ピークアウト」が、その連休明けから出てくる可能性に期待している。 愛知医科大学の三鴨廣繁教授は、「先例があります。北海道のモデルで、 ある程度、感染 が収まっていったという事実がありますので、これを期待して5月末になればその可能性 は高まるのではないか」とも説明していた。新型コロナの感染拡大があった北海道は、早々と2月28日に緊急事態宣言を発令して感染の拡大を抑えた。 緊急事態宣言が1か月後の5月の連休明けからの感染者減少につながれば、プロ野球の開幕の可能性が見えてくるのかもしれないのだ。