鹿島ユース、大量5発で瀬戸内を撃破 2回戦へ
12月8日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2023プレミアリーグプレーオフ(参入戦)の1回戦が広島県内で行なわれ、鹿島アントラーズユース(茨城)と瀬戸内(広島)が対戦。MF40小倉幸成(3年)の2ゴールを含め、大量得点を奪った鹿島が5-1で勝利した。 【フォトギャラリー】鹿島アントラーズユース vs 瀬戸内 「プレーオフの緊張感や初めての経験という部分があって、序盤は硬さが見られた。後はいつもとは違うピッチ状態に少し戸惑った部分が見受けられた」。柳沢敦監督の言葉通り、5年ぶりのプレミア復帰を目指した鹿島ユースだが、立ち上がりは思い通りに試合を運べない。開始5分には競り合でボランチのMF10平山京吾(3年)と瀬戸内のFW10美藤慶音(3年)が負傷交代したこともあり、お互いに難しい試合展開を強いられた。 前半17分に許した失点も不運な形で与えたPKから。セットプレーを自陣ゴール前で競り合った流れでハンドをとられると、FW9新井悠河(3年)に決められた。追いかける展開となったが、FW13馬目隼乃介(3年)はこう話す。「失点の場面含めて集中力が欠けていた場面があったのですが、そこからみんなで声を掛けて立て直せたから自分たちがやりたいことができました」。 指揮官が「アントラーズの良さとして普段から意識してきた」と話す粘り強さとスプリントで試合の流れを引き寄せると、31分にはファーに流れた左クロスの折り返しから、MF14松本遥翔(2年)が同点弾をマークする。 追い付いてからは完全に鹿島のペース。「自分たちはボランチが下がってしまって、プレスに行ったFWとの間を狙われた。自分たちも下がった結果全体の間が広がって、相手の40番(小倉幸成)に好き放題展開されてしまった。スライドや上下動でも相手に上回れて、前半は厳しい展開でした」。瀬戸内のDF5坂根秀(3年)が舌を巻いたように、ボランチを起点にチャンスを作ると、42分にもDF6大川佑梧(2年)がゴールネットを揺らし、一気に逆転まで持ち込んだ。 「自分たちがボールを回すことができた。ただ、相手の陣地に入る時間が増えたけど、相手の守備が硬くて突破できなかった悔しさがある」。坂根が振り返った通り、後半は瀬戸内がボールを持つ時間を増やしたが、大川とDF4坂本翔汰(3年)を中心とした守備陣が最後の局面で自由を与えない。攻撃陣も運動量を落とさず、前からの守備を続けていく。「危ない場面はありましたが、よく全体で凌げた」(柳沢監督)。 交代で入った選手も攻撃に活力を加え、後半13分にはMF8長山翔真(3年)の左クロスから獲得したPKを小倉が決める。15分には左クロスを反対サイドのMF9三沢大和(3年)が折り返し、後方から走り込んだ小倉がダイレクトで合わせて、4点目をマーク。試合終盤にも途中出場のFW23徳田誉(2年)がロングボールからゴール前を抜け出し、ゴールネット揺らす。終わってみれば、5得点を奪った鹿島ユースが勝利し、ベガルタ仙台ユース(宮城)との2回戦に駒を進めた。 (文・写真=森田将義)