のん、第二の故郷・東北でのワンマンライブ『SPRING SESSION -春よ受けて立つ!!!-』が大盛況
■のんの「春といえば?」の問いに、オーディエンスが「のんちゃん!」と一斉レスポンス! 【画像】「むしゃくしゃ」の演奏中にステージに倒れ込む、のん 3月30日、仙台darwinにて、のんが春のワンマンライブ『SPRING SESSION -春よ受けて立つ!!!-』を開催した。 仙台でのワンマンライブは実に5年ぶり。この日のステージ衣装は真っ白なフリルスタイル。手首からフリルが連なるのんが手を広げた姿はまるで天使のようで、スパンコールのミニスカートからスラリと伸びた長い脚が美しい。足元も真っ白なロングゲートルを付けたカバーロングブーツ。まるでアニメから抜け出したようなロックスターの登場に、オーディエンスがいちだんとどよめく。近年ハイブランドからの熱いラブコールも印象的な彼女なら頷ける衣装。だがそれが「カッコいい」のだ。これだからのんのライブは目が離せない。 1曲目「この日々よ歌になれ」から、パワフルなエネルギーを放出するのんに呼応し、オーディエンスも、のんと共に力強く拳を振り上げる。2曲目、久しぶりの披露となる「正直者はゆく」では、さらにロックなバンドの個性が光るアレンジを披露。続く「ナマイキにスカート」でオーディエンスの心をしっかり掴んでいった。 第二の故郷・東北での念願のワンマンに、のんのトークも弾む。ライブタイトルを引用した「春よ受けて立つよなぁ!」のコールにレスポンスする客席のテンションはさらにヒートアップ。 4曲目は堀込泰行作詞曲「Oh! Oh! Oh!」。MVでも披露したサビの振り付けで、オーディエンスとの一体感がさらに高まる。 和やかな空気は束の間、「さぁいこう」ではバンドマスター・ひぐちけいの軽快で芯の通ったギターにつられ、のんはシンボルの真っ赤なテレキャスターをかき鳴らす。 「むしゃくしゃ」ではすっかり定番のオーディエンスとの寸劇もお楽しみのひとつ。曲中で倒れ込んだのんは、「春といえば?」と問いかける。花見、卒業、新学期、などが来るかと思いきや渋谷では「のんちゃん!」と、わかりすぎているオーディエンスの反応に壇上のひぐちが「一発で出ちゃったね」とツッコむひと幕があった。これを受けてか仙台では一発目から「のんちゃん!」とぴったり揃ったコールが飛ぶ。 「なんで知ってんの? 知らないはずだよね?」のんのツッコミに笑いが起こる。このアットホームさも、のんライブの醍醐味だ。 リラックスムードに訪れた静寂のなか、のんがギターを交換。ひぐちけいとのツインギターで始まるのは、のんが脚本・監督・主演を手がけた映画「Ribbon」のインスパイア曲「鮮やかな日々」だ。先ほどまでの激しいナンバーに力いっぱい拳を振り上げ、手拍子やコールで応え続けたオーディエンスをいたわるような優しく美しい旋律で、仙台・darwinを包んでいく。 「ゆったりした気持ちで聞いてください」と客席に微笑みかけたのんは、8曲目「エイリアンズ」をしっとりと歌い上げ、オーディエンスを一気に月夜へといざなう。続く「荒野に立つ」は、のんの自叙伝のような楽曲。第二の故郷・東北での初披露を考えると実に感慨深く、客席もグッと噛み締めて耳を傾けていた。 その後、元GO!GO!7188ノマアキコとユウ(チリヌルヲワカ)の作詞曲「涙の味、苦い味」で、のんの十代バンド時代へプレイバック。11曲目は、のんのライブでは定番のカバー「タイムマシンにおねがい」。ひぐちけいのギターが、パワフルでクールなソロプレイを披露しオーディエンスを煽りまくる。 「Beautiful Stars」「やまないガール」「こっちを見てる」と、のんの正直な生きざまが刻まれた楽曲たちが繰り出される。 その後のMCでは、メンバー紹介のち、先日公開されたばかりの新作MVについて語る。自ら監督、出演、編集、演出を手がけたMVはこれで3作目。「夢が傷むから(Inspired by 東京百景)」は、この日のステージでも隣に立つ盟友・ひぐちけいと協力して作ったメロディアスなロックナンバー。 フィナーレは「わたしは部屋充」。ハンドマイクに戻ったのんが縦横無尽に駆け回り、ライブハウス全体を見事に“部屋充”させてしまった。 注目すべきは前回の『PURSUE TOUR』から「バンド」としてさらにドライブがかかっていることだ。のんだけでなく、ひぐちけい、ナガシマタカト、なかむらしょーこ、メンバーそれぞれもオーディエンスからの歓声に応えるように客席を煽る場面が増えた。ナガシマのタイト&アグレッシブで大砲のような重低音ドラム。なかむらの多彩なベースのグルーヴ感。特に岡村靖幸のツアーに参加したなかむらしょーこは、さらにテクニックが大胆になったように思える。 そしてバンマスから作曲までひぐちが奏でる、様々なギターパフォーマンスは圧巻。数々ののんとの競作もあってか、楽曲のライブ編曲に統一感が生まれ、ふたりの目指すサウンドに深みとパワーが増幅している。それらすべてを包み倍化して力強くオーディエンスへと送り出すのん、会場を圧倒するバンドの音がライブハウスの壁に打ち付けられていくような疾走感が気持ちいい。 それらの完全証明となったのはアンコールで披露した新曲だ。今回のライブのため、のんとひぐちけいが会話を重ねながら完成へ漕ぎつけたというこの曲は、キャッチーなイントロやポップロックな旋律・サビなど、これまでのんがバンドメンバーたちと歩んだ音がフルに入っており、のんの代表曲になること必至な一曲に仕上がっていた。エンディングでのツインギター直後、手応えを感じたのんとひぐちが、珍しくハイタッチをした姿が印象的だった。次作はぜひ、このバンドでのフルアルバムを期待したい。 3月28日に行われた東京公演の配信視聴チケットは、4月7日23時59分まで販売中。視聴チケットを購入すれば、4月10日23時59分まで何度でもアーカイブの視聴ができる。 PHOTO BY Kentaro Minami <セットリスト> 1.この日々よ歌になれ 2.正直者はゆく 3.ナマイキにスカート 4.Oh! Oh! Oh! 5さぁいこう 6.むしゃくしゃ 7.鮮やかな日々 8.エイリアンズ 9.荒野に立つ 10.涙の味、苦い味 11.タイムマシンにおねがい 12.Beautiful Stars 13.やまないガール 14.こっちを見てる 15.夢が傷むから(Inspired by 東京百景) 16.わたしは部屋充 17.新曲(タイトル未定) リリース情報 2024.05.01 ON SALE Blu-ray『PURSUE TOUR -最強なんだ!!!-』
THE FIRST TIMES編集部