大井川鉄道新社長・鳥塚亮氏が就任「鉄道での地域活性化、現場主義で示す」 えちごトキめき鉄道を再建
大井川鉄道(本社・島田市)は28日、株主総会と取締役会を開き、鈴木肇社長(61)が退任し、えちごトキめき鉄道(新潟県上越市)前社長の鳥塚亮氏(63)が社長に就任する人事を決定した。鳥塚氏は島田市内で記者会見し、「経営の立て直しと全線復旧が喫緊の課題。公共交通としての役割だけでなく、観光誘客など鉄道による地域活性化を現場主義で示していきたい」と抱負を述べた。 えちごトキめき鉄道などで観光列車が成功した経験を踏まえ、「静岡県は富士山や空港があり、食も豊富。もう少し客単価の高い観光列車をやってみたい」と意欲を示した。その上で、「地方鉄道を上手に活用することで、地域の疲弊を減速できる」と述べた。 2022年9月の台風15号被害で大井川本線の一部区間で不通が続いている状態について、「災害から2年近く経過しても、復旧工事に着手できていない現状は異常」との認識を示した。復旧に向けたスキーム(枠組み)については「激甚災害に指定されず国の関与も低い。会社の力だけでの復旧は難しい」と述べるにとどめた。 鳥塚氏は東京都出身。航空会社勤務などを経て09年に第三セクターのいすみ鉄道(千葉県)社長に公募で選ばれ、経営再建に取り組んだ。19~24年、第三セクターのえちごトキめき鉄道社長を務めた。
静岡新聞社