警察による手荷物チェックを受ける聴衆＝22日午前、三沢市役所駐車場

　衆院選で大物弁士が続々と青森県入りした22日、各地の街頭演説会場では厳重な警備態勢が敷かれた。安倍晋三元首相銃撃事件を機に、要人警護の基本を定めた「警護要則」を改定してから、初めての大型国政選挙。警察は金属探知や手荷物検査に加え、弁士から10メートル以上離れた鉄柵の向こうに聴衆エリアを限るなど、会場は物々しい雰囲気に包まれた。 　岸田文雄前首相が演説した三沢市役所前。危険物かどうかを確認するため、持ち込まれたペットボトル飲料を飲んでみせるよう求められた人もいた。近くの男性会社員（42）は「物騒な事件が起きていたのは分かるが、岸田さんとの距離がここまで遠いとは」と徹底した警戒ぶりに驚いていた。 　小泉進次郎・自民党選対委員長が演説した青森市の青い森公園では、大勢の警察官が会場内外に配置された。小泉氏は演説で19日に党本部や首相官邸が襲撃された事件に触れ「これだけの警備態勢を取らないと街頭演説ができない状況。態勢が取れずに演説自体ができなくなった選挙区も全国で増えている」と明かした。 　弘前市のさくら野弘前店前では演台そばの道路を一時封鎖。小泉氏が来場者とグータッチする際も警護担当者が取り囲むようにしてトラブルに備えた。