ロータリーエンジン復活へのノロシ!? 半世紀前に登場した近未来デザインスーパーカー マツダ「RX500」が実車展示 その深い歴史とは
マツダブースには3台のロータリーエンジン搭載のコンセプトカーが展示
ロータリーエンジン(RE)開発グループの復活宣言が話題となったマツダが、ヘリテージカーの展示イベント「AUTOMOBILE COUNCIL 2024」に出展を行いました。 【画像】今見ると逆に新鮮! 1970年製のマツダ・スーパーカーを写真で見る(42枚) 今回の展示テーマは、「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」とし、世界初の量産化に成功したロータリーエンジンを搭載したコンセプトカーたちが展示されました。
展示車は、1970年東京モーターショーに出展された実験車「RX500」、1999年東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「RX-EVOLV(アールエックス エボルブ)」、そして、ジャパンモビリティショー2023に出展された最新のロータリーEVコンセプトカー「MAZDA ICONIC SP(アイコニックエスピー)」の3台です。 RX500は、現代へ続くロータリーエンジン車の未来を切り開いた1台といえるでしょう。 実験車とあるように、RX500は、1967年に発売された日本初のロータリーエンジン車「コスモスポーツ」の後継車開発のスタディとして、1968年より開発が始まったそう。当時、設計部の部長だった松井雅隆さんによる「ミッドシップスポーツを検討したい」という考えから、エンジンを中央に配置し、後輪を駆動するミッドシップレイアウト(MRレイアウト)を前提としたクルマ作りが始まりました。 その際に、空力特性に優れ、200km/hが出せるクルマという目標が掲げられました。これはコスモスポーツが、そのスタイルに反して空気抵抗が大きく、最高速度185km/hであったことがありました。 200km/hに挑むべく、様々なデザインが検討され、後に初代ロードスターに開発に携わり、初代デザイン部の部長も務められた福田成徳さんが提案したものが、最も空力性能に優れていたため採用されました。 オリジナルデザインのボディと専用シャシが用意されましたが、実験車であるため、パワートレインは、他モデルからの流用に。そこで肝となるロータリーエンジンには、当時最も高性能だったスパ・フランコルシャン24時間レース参戦のファミリアロータリークーペに搭載されたレースチューンを施した10A型を採用。 それに前輪駆動車ながら縦置きレイアウトだったルーチェロータリークーペの4速MTを改良して組み合わせたものが搭載されました。 RX500の開発は市販化を目指したものでしたが、全幅が大きく、3ナンバー車となってしまうことや構造上の問題でラゲッジスペースが確保できないことなどから、市販化に向けた開発を断念。 その知見から、コンパクトでパワフルなロータリーエンジンに最適解として、フロントエンジンをキャビンよりに配置したフロントミッドシップのフロントエンジン・リア駆動(FRレイアウト)のスポーツカー初代「サバンナRX-7」へと繋がったそうです。 その基本的なレイアウトは、歴代モデルにもしっかりと受け継がれています。