大逆転も起きうる最終シリーズ。パリオリンピックへの切符をかけた「オリンピック予選シリーズ 上海大会」スケートボード・ストリート種目の見どころ
男子ストリート種目
一方で男子カテゴリーの勢力図としてはフェーズ1を終えても依然世界ランキングトップ20にはアメリカから5名と日本から6名の2カ国が半分を占め強さを見せている中、近年の国際大会で入賞経験を多く持つ各国の選手たちがトップ争いに食い込んでいる状態。 女子同様に現在繰り広げられている壮絶な代表枠争いが本シリーズでさらに激化すると考えられるのは日本だ。現世界チャンピオンの白井空良が「WST Dubai」で3位に入ったことで世界ランキング1位にジャンプアップ。そんな白井に続くのが昨年の世界選手権準優勝の勢いそのままに「WST Dubai」で優勝した根附海龍が5位に浮上、そして間髪入れずに新世代最強と呼び声の高い弱冠14歳の小野寺吟雲が6位、東京五輪金メダリストの堀米雄斗が7位となり接戦。さらに10位に佐々木音憧、15位に青木勇貴斗という順になっている。今シリーズの焦点としては順調に結果を残し暫定的に出場枠を得ている白井、根附、小野寺の3名に対して、なかなか本調子でまとめきれていない堀米をはじめ、佐々木、青木の3名がここで得点を稼ぎ逆転できるかだ。今大会に関しては逆転も起きうる得点配分になるため目が離せない。 その一方で代表枠争いの観点から注目したいのはアメリカだ。絶対王者のナイジャ・ヒューストンが現在世界ランキング2位を保持しリードを保つ中、彼を追う形になっているのが12位のジャガー・イートン、14位のアレックス・ミドラー、16位のクリス・ジョスリン、20位のブライデン・ホーバンの4名。ヒューストンが後続と差を広げている中で残りの国枠最大2枠をこの4人がどう争っていくのかがポイントとなる。タイムリーで注目を集めているのは「2024 SLS San Diego」で優勝したホーバン。彼がどうここから追い上げていくのかも注目したい。 また他国の選手として、今回注目したいのが現在世界ランキング4位のフランスのオーレリアン・ジロー。パリオリンピックでは自国開催ということもあり一番メダルを期待されている彼。2022年シーズンは世界選手権でタイトルを獲得し出場する大会では確実に決勝に残ってきたが、昨年の世界選手権と前回の「WST Dubai」の出場を見送っている。パリオリンピック前の最終予選大会で彼がどんなパフォーマンスを見せるのか楽しみだ。