「ネコまみれ」…有名観光地と並んでなぜ?”インバウンド人気7位”の「世田谷・豪徳寺」に行ってみた
参拝客の「8割」が海外からの観光客
国内最大級のインバウンド総合メディア「訪日ラボ」などを運営する株式会社movが発表した『インバウンド人気観光地ランキング』によると、浅草寺、金閣寺、清水寺…インバウンド人気観光地のベスト10に有名どころの観光地と並んでランクインしていた世田谷・豪徳寺。 【ネコまみれ…】かわいすぎ…! 境内一面に… 平日の10時前、豪徳寺を訪れると、海外からの観光客がすでに参拝している。中にはツアーで来ているグループも。寺務所には、小さな列もできている。お寺の方に聞くと、 「まだ午前中なので、それほどでもありませんが、午後になると長蛇の列になることもあります」 なんと平日には1000人、土日には2000人の参拝客が訪れ、その8割が海外からの観光客だという。観光バスで訪れるツアー客もいて、多いときには観光バス用に用意された3台分の駐車場が満車になることもあるとか。確かに今も参拝客のほとんどが外国人だ。 海外からの参拝客が増えたのは、ここ10年。BBCなどの海外メディアに「招き猫発祥のお寺」として取材されたのがきっかけで、その後SNSで発信されるようになって徐々に増えていったという。 ◆「招き猫」発祥の地 そもそも豪徳寺は1480年、吉良政忠公によって開基され、のちに井伊家の菩提寺となったという由緒あるお寺だ。 ある日、鷹狩りに来た彦根藩主・井伊直孝が寺に立ち寄ると、ネコに手招きされたため、寺に入ると突然雷雨が降り始めた。雷雨を避けられたうえ、和尚との話も楽しめた井伊直孝は、その幸運にいたく感動し、それ以来豪徳寺では福を招いたネコを「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、招き猫発祥の地としても知られる。 広々とした境内の一隅には奉納棚が置かれ、大小の招き猫がびっしり。奉納棚には大小の招き猫がびっしり。棚がいっぱいになるとお焚き上げするそうだが、年に一度ではとても追いつかず、年に数度お焚き上げしているとか。 招き猫を祀った招福殿の前には招き猫の像が置かれ、招福殿の中には奉納された招き猫が奉納棚と同じように隙間なく並んでいる。 高さ22.5mの三重塔には十二支が飾られているが、「子(ね)」のところには招き猫が。自動販売機の横にもネコの絵が描かれているなど、さまざまなところで招き猫に出会う。