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　先日行われた『M-1グランプリ2023』決勝戦で22年ぶりのトップバッターでの優勝を果たし、一躍その名を全国に轟かせた高比良くるまと松井ケムリからなるお笑いコンビ・令和ロマンだが、M-1前からすでにその才能の片鱗を見せていた。今回は、彼らが出演するそれぞれのYouTubeチャンネルから魅力を紐解きたい。 【写真】YouTubeでM-1グランプリ優勝について振り返る令和ロマン 　令和ロマンを知るうえで1番のコンテンツといえば、彼らのYouTubeチャンネル「official令和ロマン」だろう。インターネットのトレンドに異常に敏感な2人が、さまざまな事象をおもしろおかしくイジりながらお笑いにしていく。平成フラミンゴとコムドットの論争から、「令和の虎」を主宰している岩井良明氏とベテラン中学生による“聖杯戦争”まで、触れるメリットが1ミリもない話題でも果敢に干渉していく。このチャンネルを観ていれば「ネット上で何が今一番話題なのか」そのすべてを知ることができると言っても過言ではない。 　また、芸人でありながらドがつくほどのお笑いファンの側面もあるコンビで、準決勝直前には「ニッポンの社長が夕方のチャイムをサンプリングした曲を使う」「マユリカの中谷さんが間違えて誕生日にもらったラブドールと一緒に出てくる可能性ある」など、ボケなのか本気なのか絶妙に分からないギリギリのラインであらゆる勝ち筋、負け筋のパターンを分析し、その対策を立てた動画をアップしていた。 　さらに、それだけにとどまらず毎年決勝終了後に配信される「M-1打ち上げ by ストロングゼロ」への対策まで考え、その“対策狂い”ぶりでファンをガタガタと震わせていた。優勝時、「M-1グランプリ2024にも参加する」と公言していたが、令和ロマンなら本当に出場し、優勝してしまうのでは？　と思ってしまう。 　令和ロマンとオフローズと素敵じゃないかの若手芸人3組によるYouTubeチャンネル『売れたら垢抜けるってホント？』（ウレアカ）も見逃せない。スキンケア、アートメイク、脱毛、シミ取り、ヒアルロン酸注射など、まだまだその敷居が高い“男の美容”を人気急上昇中の3組が本気で挑戦することで、タイトル通り垢抜けていく過程をリアルタイムで追っていく美容観察型バラエティだ。 　メンバーのなかでも飛び抜けて美容に対する意識が高いのがくるまだ。このチャンネルを始める以前からスキンケアには人一倍力を注いで来たという。自分の肌の弱さを理解し、なにが1番の正解なのか探る姿は、勝ち抜くために会場の雰囲気や出順によって披露するネタを変えたM-1グランプリを彷彿とさせる。このウレアカでも積極的にさまざまな美容法に挑戦し、角度によっては俳優の菅田将暉か？　と錯覚するような美しさを手に入れていく。 　反対にもっとも美容に無頓着なのがケムリで、くるま曰く「肌つよつよオバケ」と評されるほどの天性の強肌を持ち、普段の洗顔はおろか、ヒゲ剃りですら何もつけずに行うという化物ぶりを見せていた。そんな彼がウレアカに参加することで、どんどん意識が変わり変わっていく。今回のM-1グランプリ優勝によって、チャンネル名の説である「売れたら垢抜けるってホント？」を完全に立証した。 　コンビを離れ、それぞれが出演しているYouTubeチャンネルもとても魅力的だ。2019年に同名お笑いライブがキッカケに結成された、ケムリ、お笑いコンビ天秤のシドニー石井、元ミシェルの芸人今野一輝、放送作家の西塔徹成の「僕らの別荘」は知っている人も多いだろう。ショート動画がTikTokで何度もバズるなど、芸人ファンのみならず、彼らの素性を知らない若者の間でもかなりの人気を博しており、今回のM-1グランプリ決勝で、逆に「僕らの別荘の人じゃん！」と漫才師としてのケムリを認識した視聴者も多い。4人それぞれが自由にボケて自由にツッコむ男子校の休み時間のようなゆるいトークは、「大勢の人間に見られるために短い時間でどれだけ要素を詰め込むか」が主流となっている昨今において絶妙なカンフル剤になっている。 　また、くるまと9番街レトロ京極風斗は『黙って食べれん』というチャンネルを運営している。「9番街レトロ京極と、令和ロマンくるまが、ご飯を食べるんだ。黙って食べられるといいけど…。」というチャンネル概要の通り、ただ気になったご飯を黙らずに喋りながら食べるだけ、それ以上でも以下でもない。ある意味どんなYouTuberよりもストロングスタイルのチャンネルだ。にも関わらず、何気ないやり取りの端々に唸るほどの面白さがある。彼らにかかれば、ただの食事が極上のコンテンツになってしまうのだ。 　4つのYouTubeチャンネル全てに違った魅力があり、知れば知るほど深みにハマっていく。次はどんな景色を我々に見せてくれるのか、令和ロマンの活動から目が離せない。