衆議院選挙・長崎1区で落選した自民党・下条博文氏の陣営関係者2人逮捕…買収の約束容疑
10月27日投開票の衆院選で、複数人に選挙運動の報酬を渡す約束をしたとして、長崎県警は20日、長崎市油屋町の団体職員(66)、同市茂里町の会社役員(61)の両容疑者を公職選挙法違反(買収の約束)容疑で逮捕した。2人は長崎1区で落選した自民党の元県議・下条博文氏(49)の陣営関係者。 【写真】下条氏の事務所の捜索で、段ボールを運び出す捜査員
発表では、両容疑者は共謀し、10月上旬から中旬、対面などで複数人に対し、下条氏を当選させる目的で、電話で行う投票依頼の報酬として時給1000円を支払う約束をした疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。請け負ったアルバイトは電話をかけたが、現金は受け取っていないという。
県警は20日、下条氏の長崎市内の事務所など複数箇所を捜索した。県警によると、県内で国政選挙に絡む公選法違反で強制捜査に踏み切ったのは2004年の参院選以来20年ぶりという。
「心当たりがない」関与否定
下条氏は20日、県庁で記者会見を開き、陣営関係者の逮捕について「私は心当たりがない。事実関係の確認を急ぎたい」と述べ、自身の関与を否定した。
下条氏は、団体職員の容疑者が陣営の事務局長を務めていたとし、「自民党の関係でよく活動されていた。陣営では街宣活動を取り仕切っていた」と説明。会社役員の容疑者は支援者の1人で、演説会の会場設営などに携わっていたとした。
2023年まで県議を務めた下条氏は、これまでに経験した選挙と比べて今回は規模が大きく、準備期間も短かったとして、「(陣営内の)全ての動きを把握できていなかった」と語った。その上で「法令順守を徹底してきたが、このような事態を招き、支援者の皆さまに深くおわび申し上げる」と謝罪した。
下条氏は衆院選で、自民党派閥の政治資金問題を踏まえ、「私は県議の時も、これから先もクリーンだ」などと訴えていた。