名探偵・神津恭介シリーズの第2弾に加藤雅也と小園凌央が初参加
演出家の野坂実が主宰する「ノサカラボ」の新作は、高木彬光の推理小説・神津恭介シリーズの第2弾『わが一高時代の犯罪』。“日本三大名探偵”のひとりである神津の旧制第一高等学校時代を描いた作品で、前作『呪縛の家』に続き、林一敬が主演を務める。本作では神津の親友で相棒の松下研三を小園凌央が、実業家の水町泰蔵を加藤雅也が演じる。そこで絶賛稽古中の野坂、小園、加藤の3人に、本作に対する想いを訊いた。 【全ての写真】野坂実、加藤雅也、小園凌央の撮り下ろしカット
コロナ禍を経て気づいた、役者の一番の強みは生で見てもらうこと
――神津恭介シリーズの第2弾です。そもそも本シリーズの舞台化を決めた理由は? 野坂 明智小五郎、金田一耕助と共に“日本三大名探偵”と言われる人物ですが、明智や金田一に比べると神津はほとんど知られていないと思うんです。それならば自分がやってしまおう、というチャレンジ精神がシリーズを立ち上げたきっかけです。 ――小園さん、加藤さんのおふたりはシリーズ初参加となります。キャスティングの狙いは? 野坂 加藤さんのことは前々から狙っていたといいますか(笑)、たまたま僕が加藤さんの初舞台を拝見していたんです。 加藤 08年の『SAMURAI 7』ですね。 野坂 ええ。それまで映像のイメージが強かった加藤さんですが、その時の舞台が非常に印象的で。いつかこんな俳優さんとやりたいと思い続けて、今回やっと念願が叶いました。小園さんはプロデューサーからの提案で、映像資料などを拝見するととてもユーモアがある方でした。小園さん演じる松下研三は、キレキレの神津に対して人間味と愛嬌のある人物なので、これはいけるぞと思いお声がけさせてもらいました。 ――出演のオファーがあった時の心境は? 加藤 嬉しかったですね。役者として必要とされることは役者冥利に尽きます。あとコロナ禍やChatGPTの台頭などで、役者の一番の強みは、生で見てもらうことだと改めて思うようになって。俳優の原点に戻るという意味でも、舞台のお仕事はぜひやりたいと思いました。 小園 僕は当初、自分がどの役かわからないまま台本を読ませてもらったんです。で、あとから松下だと聞かされた瞬間、これ一番大変な役やん!と(笑)。ただ確実にステップアップ出来る役だと思いましたし、僕もコロナ禍で出来なかった舞台が何本かあって……。とにかく今はなんでもやりたい!という精神なので、迷いはありませんでした。