じつはいま「中国の富裕層」が都心を離れ地方に移住していた…行き先と「衝撃の実態」
近年、国内の政治情勢などを背景に、日本に移住する中国人が増えている。主に東京都に移り住むことが多い。また、「中国の富裕層」が、日本に不動産を買う事例が目立つようになっている。一方で、日本に長く住む在日中国人の中には、地方に別荘を買い、週末をそこで過ごす人が増加しているという変化も起きている。 【写真】「日本のどこがダメなのか?」に対する中国ネット民の驚きの回答 その実態について、『中国人が日本を買う理由』を上梓した、ジャーナリストの中島恵さんがレポートする。
4000万円で豪邸を購入
「大きな窓を開け放して、新緑を眺め、よそ風が吹く縁側に座っていると、それだけで気分爽快、日頃の疲れが一気に吹き飛ぶような気がするんです。週末をこの家で過ごすことによってリフレッシュでき、また明日からがんばろう、という気持ちになりますね」 笑顔でこう語るのは、都内で企業を経営する40代の在日中国人女性、Aさんだ。Aさんは中国の東北部の出身。2000年に来日後、商社などに勤務したのち、2016年に独立。日本と中国に十数人の社員を抱えている。 10数年前に都心から程近い場所に自宅マンションを購入したが、昨年、千葉県の中央部からやや南下した茂原市に1000平方メートルの土地つきの“別荘”を購入した。Aさんは語る。 「偶然見つけて、一目惚れした中古物件だったんです。門を入ると大きな庭があり、ツツジ、サルスベリ、梅、モミジなどの樹木が茂っていて、大きな石、池、灯篭もあります。物件は以前、日本人が住んでいた7LDK、約200平方メートルの建物で、風水がいい。東向きなので朝日もたっぷり入りますし、部屋の一つひとつも広く、和室には美しい欄間や障子もあります。 和風の照明器具もそのままになっており、日本家屋の風情が残っているところが気に入りました。隣接する町の不動産店を介して、昨年、約4000万円で購入しました。格安で、とてもいい買い物ができたと満足しています」 場所は東京駅からJR総武線と外房線に乗って1時間強、最寄り駅からはクルマで数分の場所にあり、周囲には田園地帯が広がる、のどかな場所だ。近くに飲食店やスーパーはないが、クルマがあれば不便はなく、九十九里浜など海辺にも足を延ばすことができる。リフレッシュを目的とした別荘としては、うってつけだ。 Aさんは昨年、この物件を購入後、外壁、門扉などを扱うエクステリア関係の会社や、草むしりの業者などに依頼して、数百万円をかけて修繕した。今春は庭に枝豆やシシトウなどの野菜を植え、家庭菜園を楽しんだ。襖(ふすま)も取り換え、家具なども設置。今後は、池で錦鯉を飼い、スイレンなどの花も育てたいと思っており、少しずつ生活環境を整えている。最近はようやく友人らを招待できるようになったとのことで、筆者も訪問させてもらった。