サンライズの最安値寝台「ソロ」 上段と下段どっち派? 同額で何が違うのか
下段室のスペックは
次に下段室です。扉の開口幅は53cmで、上段よりわずかに広いです。裏には姿鏡が、扉の近くにゴミ袋とスリッパがあります。ちなみに「シングル」扉の開口幅は63.5cmです。 入口の天井高さは184cmで、直立可能です。上段と同じく、入り口部分で着替えることになりますが、寝台と側扉のあいだが25cmほどしかないので、圧迫感があります。 床から寝台までの高さは38cm。上段寝台への階段部分が室内に張り出しているため、転落の心配はありません。寝台幅は広い部分が70cmです。広い部分が10cmの上段と違い、下段は縦に104cmも寝台の広い部分がありますので、寝ている時のスペースの広さは上段より上です。狭い部分は寝台幅56cmですが、通常は足元の部分なので、それほど問題は感じません。 側窓には幅12cmのミニテーブルが備わります。ここは寝台の狭い部分に当たるので、飲み物を置いて壁を背中にし、寝台の広い部分に足を向けたいのですが、実行すると幅56cmの空間に挟まれるので、非常に圧迫感があります。 寝台から天井までの高さは101cmで上段と同じです。コンセントは入口部分にあり、使いやすいです。騒音と振動は以下の通り(下段室〈17番〉)。 ・ソロ平均騒音:53.6dB(静かな事務室程度) ・最大振動:震度3.6 ・平均振動:震度1.5 数値は上段よりやや大きめです。金属音のような音がすることもあるので、音に敏感な人にはあまりお勧めしません。走行音が好きな鉄道ファンに人気があります。 入口部分の床は荷物置き場を兼ねており、幅25cm、奥行105cmほどの空間です。スリッパも置かれています。
列車のほかの設備をよく使うなら…
下段室の総評ですが、出入りが楽なのは素晴らしいことです。ただ、側窓が上段より小さいこともあり、個室扉を閉めた時には相当な圧迫感があります。特に、寝台の狭い方を背中にした場合は顕著です。狭い場所が苦手な人にはあまりお勧めしません。また、荷物置き場が入口の床置きだけなので、大きな荷物を持ち込むと狭くなります。 居住性に優れているのは、個室の広い部分を背中にでき、狭い方に足を向けられる個室です。高松・出雲市行なら11・13・15・17・19番、東京行きなら1・3・5・7・9番個室です。筆者なら空いていれば、高松・出雲市行は13か15番を、東京行きなら5か7番を選びます。車両中央部で乗り心地がよいからです。 最後に、上段と下段のどちらがよいかですが、個室内で過ごしている時の快適さは上段だと思います。室内の解放感が下段とは違い、1グレード上の「シングル」下段と同等の居住性を感じます。 ただし、出入りは不便と言わざるを得ず、特に足腰が弱っている人や、疲労がたまっている人には勧められません。下段を選ぶメリットは、出入りが楽である点です。近くにあるミニラウンジや自動販売機、シャワーに行くのも楽ですから、個室内が狭くてもラウンジで気分転換できます。 筆者の好みは上段ですが、大阪→東京間のような乗車時間が短い場合は、下段も選択肢に入ると感じています。乗車時の参考になれば幸いです。
安藤昌季(乗りものライター)