村田諒太「再戦に負けない」伝説。地元関西応援団が「豪気」扇子で勝利の風送る!
プロボクシングのダブル世界戦(12日、エディオンアリーナ大阪)の記者会見が10日、大阪中央区のホテルで行われ、前WBA世界ミドル級王者で挑戦者の村田諒太(33、帝拳)と同級王者のロブ・ブラント(28、米国)が、それぞれ再戦を前に抱負を口にした。村田の地元で初開催となる世界戦に母校の南京都(現在・廣学館高校)ボクシング部OBらの強力応援団が集結、部訓の「豪気」と書かれた応援扇子で“勇気の風”を送ることが明らかになった。アマチュア時代から「リベンジ戦に負けない」という伝説を持つ村田が、ブランド戦に、その成長能力を見せつける。
母校の部訓「豪気」を拳に
奈良出身で、大阪の進光ジムを経て、名門、南京都高(現在廣学館高)で本格的にボクシングを始めた村田にとって、エディオンアリーナはホームタウン。収容人数は約8000人だが、すでにチケットは完売し当日券はない。 「知り合い?めっちゃ来ます。たぶん凄い数が」 村田も、その数は把握しきれていないが、村田諒太後援会では用意したチケットが足りなかった。亡くなった母校のボクシング部監督の武元前川氏を慕い「武元軍団」と呼ばれるOB、後援会の会員だけで500人を超え、後援会長の近藤太郎氏(44)も「問い合わせが凄かったんです。熱い一般ファンの方も含めると村田応援団として1000人は超えるのでは」と予測する。 当日、青コーナーの花道には4、50本ののぼり旗を立て、後援会では、250個の特製の応援扇子を用意した。その扇子には「豪気」の2文字が書かれている。 実は、これ“南京(ナンキン)ボクシング部”の部訓とも言える言葉で、試合の度に会場に掲げられる部旗にも染め抜かれている2文字だ。辞書を引くと「強く勇ましい気性」とある。 ボクシング部の顧問だった西井一氏(52)は、こう説明する。 「“強い気持ちで戦おう”という意味が込められています。武元先生も気持ちを一番大切にされていました。今回の試合で村田に必要なことじゃないですかね」 西井氏はブラントを挑発するかのように「豪気」の英語バージョンの横断幕を用意した。 当日、武元氏の奥さんやご子息らの家族も村田に招待された。 村田を愛する人たちが総出で「豪気の風」をング上へ送るのだ。 村田も会見でこう語った。 「プレッシャーをかける。ブラントはアウトボクシングをしてくるだろう。強いパンチを何発当てられるか。まあ期待しておいてください」 昨年10月、ラスベガスで判定負けしてベルトを失ったタイトル戦では、ブラントの足と手数に圧倒された。ブラントのボクシングを潰すには、前に出るしかない。 「豪気」の精神を持てるかどうかがポイントになる。